あらすじ
捜査一課を出された刑事が挑む警察捜査小説警視庁捜査一課から青梅警察署水根駐在所長に。取り調べ中の容疑者の自殺で左遷された江波敦史警部補。組織から裏切られた彼は、自らを取り戻すための捜査する!
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Posted by ブクログ
笹本稜平作品にしては、小さい小説である。
でも小さいなりに凄くいい。
事件は駐在所が絡む程度の事件だし、主人公は中央での競争に敗れて地方に落ちた警察官僚、登場人物たちも分かりやすくデフォルメされた性格で、舞台はほぼ奥多摩の山か里起こる手の届き感。
これ、笹本小説を期待するから拍子抜けするけど、系譜が理解できたら、楽しみ方が分かる。よーするに江戸時代小説の市井人情ものを味わうように読めば味の分かる作品集だということだ。
山登りも重要な要素になっていて(1作なんかあこがれの北鎌尾根登るんやで、小説とはいえエエなぁ~)俺は甘めに加点します、続編も楽しみ。
それにしても、北鎌尾根って、奥多摩雲取山ややバリエーションコース(11時間)をCT半分弱(5時間)でクリアしな行かれへんのかぁ。もっともっと鍛えないとなぁ。
Posted by ブクログ
主人公の正義感溢れる行動力とそれを取り巻く人々との心温まる交流がとても瑞々しく描かれている素敵な作品。
都民にとって意外と近くて遠い奥多摩の山々の描写も素晴らしい。
Posted by ブクログ
笹本稜平の4作目。連作短編。
各編ごとに感想を。
【終わりのない悲鳴】
哀しい女性の物語。
主人公の抱える心の傷とリンク。彼の背景の事件が今後関わってくることになるようならば、面白さも倍増しそうなものだが、果たして………?
2012.07.10.書。
【血痕とタブロー】
再び、自ら死に向かおうとする人を救った主人公。本作のテーマはコレなのかな?と。
いけすかない管理官に一泡吹かせてやる展開もあることを期待(笑)。
2012.07.10.書。
【風光る】
恋の予感?(笑)。骨髄移植で血液型が変わる………というのは初めて知った。唐突だったので、ややアンフェアか?とも思ったが、“いわゆる推理小説”なわけではないのでOK。
2012.07.10.書。
【秋のトリコロール】
警察小説というよりは、ソフトな山岳冒険小説、かな。
誇り高きアルピニストの、堕とされた栄光の回復・・・、目頭が熱くなる一遍だった。
筆者は、本当に山が好きなのね、とも。
2012.07.11.書。
【茶色い放物線】
ハラハラドキドキ。クライマックスは、“良い意味で”平成ひと桁時代の刑事ドラマを見ているかのよう(笑)。
………「刑事貴族」とか………
犬が、限りなく可愛かった(^-^)v。
2012.07.11.書。
【春嵐が去って】
おばあちゃんモノと子どもモノには、極めて弱い。頬を濡らしてしまった。
あの、嫌~ないやな管理官が、わりと潔く負けを認めて恰好良さ気に引き下がったのだけは、物足りないかな・・・ギャフンと言わせ失職させるか降格させるかして欲しかった(笑)。
通読して・・・・
心温まる物語だった、と。笹本稜平、好きになったかも。
他の代表作にも、手を伸ばしてみよう。
★4つ、8ポイント。
2012.07.12.了。