あらすじ
豪邸の庭に埋められていた白骨死体は誰なのか? 犯人が黙秘を貫く中、警察は押収した手記をもとに、被害者の特定を試みるが……。警視庁の桂島刑事から相談される、迷宮入り寸前の難事件の数々。それを解き明かすのは、頭脳も美貌も態度も規格外のミステリー作家・吉祥院慶彦(きっしょういんよしひこ)。痛快無比! 本格推理の傑作。
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Posted by ブクログ
お手軽で気軽に読める1冊。
だけどロジックはなかなかに深くて
読み応えもたっぷりで面白い。
貫井さんの作品は「慟哭」以来。
同じ著者とは思えない。
シリーズ化して欲しいなあ。
Posted by ブクログ
発想が面白いね。犯人探しではなく、被害者とか目撃者とかを探すっていう。
吉祥院と桂島の会話は軽いけども。読みやすかったです。
こういう騙される系は、トリックを知った上で再読したいのだけど。。時間が取れず断念。
Posted by ブクログ
犯人ではなく,被害者,目撃者,探偵等を当てるという一風変わったミステリが並ぶ短篇集。探偵役は,ミステリ作家の吉祥院慶彦。大学時代,「太陽に吠えろ!研究会」というサークルで後輩だった桂島という刑事が持ち込む謎などを解決する安楽椅子探偵モノだ。
収録されている4つの短編は,いずれも小粒ながら及第点以上のデキ。基本的には叙述トリックを使った,ぼーっと読んでいても楽しめる,驚けるミステリだ。
白眉は,「被害者は誰?」。犯人の手記から,白骨死体で見つかった死体が誰の死体かを推理するというプロットだが,手記を書いていたのが男性ではなく女性であり,犯人ではなく被害者の手記であることから,白骨死体が犯人の妻のものであることが推測されるというオチ。性別がはっきりしない文章で性別を誤解させるというトリックは,使い古されたものだが,真相を知ってから文章を読み直し「なるほど」と思える部分を探す楽しみもあって結構好きなのだ。
登場人物の性格の悪さもいい。こういう,人の悪さがにじみ出た読後感の悪いミステリも好みだ。
ただ,性別を誤解させるトリックの作品が白眉と言える程度なので,及第点以上とは書いたが,その程度のデキ。さらっとこのクラスのミステリを書けるとすれば,貫井徳郎はなかなかの才能の持ち主だとは思うが,この作品の評価としてはトータルで★3程度か。