あらすじ
佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて……。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。吉川英治文学新人賞受賞作。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
瀬尾まいこさん初作品。国語の先生なんだと知りませんでした。
タイトルからハッピーなお話と思いきや、突然やってくる不幸に、その衝撃に目が眩みそうでした。青天の霹靂、、
家族ひとりひとりの困難に向き合うために必要なことは何なのか、その大切さを教えられる一作でした。
Posted by ブクログ
良かった。
最後にあれだけ泣かされるとは思ってなかったけど…
バラバラのようでいて、心の奥でちゃんと繋がっている。
誰も無理をしない、こういう家族の形もいいかもしれな
いと思った。
お父さんを辞めるという感覚も、なんとなくわかる。
直ちゃん同様、役割やら世間の”普通”から離れた結果、
自分自身や家族、環境を見つめる機会になったのかな。
選択肢があって、それが許される贅沢な環境は少しだけ
羨ましいと思った。
大浦くんの手紙が、声が聞こえてきそうなほど彼らしい
手紙で、ちょっと笑えて、とても悲しかった。
ヨシコもいい!姑に取り入ろうとするヨシコには注意
するよう母親に言う佐和子が面白い。
少し元気になった様子が窺えて嬉しかった。
Posted by ブクログ
佐和子の家の朝の食卓はみんなが決心や悩みを告白する時間。父さんが「父さんを辞める」と宣言したのも、母さんが「家を出る」と言ったのも朝の食卓だった。みんなそれぞれの悩みを抱えながら生活している。
父さんの自殺未遂から、母さんは家で暮らせないと考えて別居し、佐和子の兄の直ちゃんは自分の精神的歪みを抑えるために真剣さを捨てて生活するようになった。そんな中、佐和子はくじ引きで学級委員になる。協調性のないクラスをまとめることに悩まされながらも、彼氏の大浦君の存在を頼りに困難を乗り越えてきた。
しかし、付き合い始めて2年目のクリスマス1ヶ月前、大浦君が突然、佐和子へのクリスマスプレゼントのために働き始めた。バイトの新聞配達中、大浦君は交通事故で亡くなってしまった。
どんなに辛いことがあっても朝は当然のように訪れ、食卓を囲まなければならないということ。そして今の恵まれている環境を大切に思い、家族とつながり合い再生していくことを少し変わった温かい家族の姿を中心に描かれている。
Posted by ブクログ
一番好きな小説!
「父さんは今日で父さんをやめようと思う。」と言う。不思議なフレーズで始まり、これもまた読む手が止まらない感じで次々と読み進めていくと、佐和子の家族の過去やそれぞれが抱えているもののいびつさが見えてくる。
そして大浦くんとの出会い。最初はなんだこの少年?って言う印象だったけど、佐和子へのまっすぐな思いや素直で元気なところ、2人の関係にキュンとしながらすごく温かい気持ちで、徐々に心がほかほかしてきたときに衝撃の展開。
そして、映画版の主題歌がミスチルの「くるみ」と知り、ますます感動作品にマッチしすぎてる。
Posted by ブクログ
ほぼ日常が描かれていただけだったのについつい読み進めてしまった。瀬尾まいこさんにしては軽めの作品で読みやすかった。
大浦くんが死んでその後みんなして立ち直らせようとしてた最後は涙が出そうになった。大浦くんのことそんなに好きだったのか
Posted by ブクログ
父さんは父さんを辞めようと思う、から始まる。
よくあるようで、変な家族の日常を眺めているような本。みんなそれぞれちょっとずつ面白くて、変なところや危ういところがある。前半は家族の性格だったり、どんな家庭なのかなど、家族中心の話だったように思う。
後半から前半でも出てきていた、大浦くんの存在が大きくなる。明るく快活で真っ直ぐな男の子。佐和子と正反対だけど、そこがうまく噛み合っていると思った。
だから、終盤で三浦くんが唐突に亡くなった時、読み手であるこちらも鈍器で殴られたような衝撃を受けて、苦しくなった。
人生では、亡くなるだけでなく、様々な別れがあると思うが、その時の感覚になった。実際に起きたわけではないのに、その時の胸が詰まるような、胃が痛むような感覚になり、瀬尾さんの人の心情を書くレベルの高さに感動した。
最初からインパクト大だったヨシコが、最後に主人公に自分なりに慰めようとしていて、主人公と同じようにこの女性の良さに気づいた。
全体的に日常が進んでいく話ではあるものの、終盤で大浦くんが亡くなり、その後のヨシコの言葉で、良くも悪くも家族の切っても切れないような不思議な濃い繋がりを感じた。
主人公の成長でも、恋愛でも、日常でもなく、家族との不思議な縁を書いた物語だと思った。
Posted by ブクログ
2026.06.04
ちょっと変わった、でもどこか明るくポップな家族。「普通」とは違うけど、それなりに幸せな暮らしをしていると思っていると、急にどんより暗いエピソードが混じる。この緩急がなんとも言えず、引き込まれて一気読み。
明るく楽しい家族に見えても、見えないところで辛く苦しい出来事があったりする。
見えないように振る舞っている人たちほど、強いのだと思う。
佐和子は失ったものは大きいけど、それ以上に佐和子を想い、気にかけ、大切にしてくれる人たちに囲まれているのできっと大丈夫だと思う。
綺麗
綺麗なお話だ。
しかしどうして死んでしまうのか。
人々はお話の中に悲劇を求めているのか。
これは大浦君が盛大に仕掛けたドッキリなんじゃないかと期待してしまった。
佐和子が立ち直りかけていることが,せめてもの救い。
誰かや何かをなくしてしまうお話は辛い。
普通じゃないけど,幸せそうな家族のあり方。
慣れる事は無いけれど
人は大切なものを奪われたり不幸には慣れる事は無いけれど、それでも人は生き物の命を奪い食べて命を繋いで生きて行くしかないので幸福
と思える日々、大切な人と囲める食卓があるのはとても大事な事だと再確認させられた一冊でした。
Posted by ブクログ
ヨシコの「恋人は新しく作ることができるけど家族はそうはいかないからもっと甘えてもいい。」という言葉が少し刺さった。個性的な登場人物が多くて面白い。
心温まるお話だった。