あらすじ
佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて……。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。吉川英治文学新人賞受賞作。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
読みやすい、面白い
読んでて脳が気持ちよくなるテンポ感と新鮮さでした、!
現実の無常さと、家族や色んな関係性におけるあたたかい情が、同居していた。
兄妹と、それぞれの恋人が皆家族になる姿を見たかった、と思わずにはいられない。。
登場人物全員がここまで記憶に残ることはあまりないと思う。
Posted by ブクログ
瀬尾まいこさんはちょっと変わった日常ながらも主人公の前向きさ故ポップな日常コメディのような作品が多く、最後の展開は油断していました。
中盤までは外から見ると家庭崩壊している佐和子の家庭のあり方について描かれています。
天才少年だった兄や父を辞めると言う父とのやり取りは面白く、それぞれの苦悩があるのだと分かります。それでも愛されて佐和子がここにいる事実は変わらないのがひしひしと伝わってくるのです。
最後の展開はぶっちゃけ無くてもいいじゃないか、と思ってしまうのですが、家族の存在について伝える為に必要だったのかもしれません。
Posted by ブクログ
三宅かほさんのYouTubeに瀬尾まいこさんが出てて、その人柄に惹かれて新しく読みたくなった!
人はそれぞれ役割があるけれど、その役割を真っ当するもしないも自分次第で。
でも1度決めて他を巻き込んだなら、許可なしでは役割を果たさないといけないと思った。
長年その役割をしてきて、改めてそこが心地よいと思う気持ちも理解できた気がする。
家族は色んな形があれど、みんなが楽しく心地よくなってこそ色んな形のひとつに当てはまると感じた。
そして大浦くんが良い奴でもう悲しすぎた…
瀬尾さんの本、読みやすくって違う作品もぜひ読みたい!
Posted by ブクログ
文庫本で、ページ数もそれほど多くなかったため、するすると数時間で読めた。初めの父親の「父さんをやめる」宣言では、一風変わった家族のほのぼの系ストーリーかと思ったが、進むにつれて見え隠れする不穏な過去に惹きこまれた。章ごとに時間が飛んで、少しずつ主人公が年を取って環境が変わっていくのも、章が変わるたびに「どうなったんだろう」というワクワク感を引き立たせてくれて、面白かった。大浦君のまっすぐな性格がとても刺さり、このまま二人で幸せになってくれ……と願っていた側からすると、終盤はかなり辛く、号泣しながら読み進めていた。家族みんなが不器用で、でもお互いに歩み寄って在り方を模索していく姿が、人間らしくて、なんか、こう、グッと来た。
Posted by ブクログ
最後の展開が意外で、切なさでいっぱいになった。
このまま大浦君と幸せになるものだと信じながら読んでいたので、人生の難しさを感じた。一見崩壊している家族に見えるが、実際にはそれぞれがそれぞれに対して愛があって、形態よりも気持ちがある方が温かい家族に思えた。
Posted by ブクログ
勝手にポップな感じと思って読み始めたけど、全然ポップじゃなかった…
すごく引き込まれていったけど、好きなお話ではなかったです。
辛かった…
誰も救われずに終わった気がする
Posted by ブクログ
章が変わるごとに、時が進んでいて、後日談を読んでいるような、どうなったんだろうというワクワク感があった。
大浦君が直球で、佐和子のことを好きな気持ちをいつもちゃんと伝えてくれていて、佐和子とずっと仲良くしていくものだと思っていたので、最終章は読むのがとても辛かった。
さすがに12個もシュークリーム食べれないよと思ったけれど、直ちゃんの彼女の小林ヨシコもいい人でよかった。
綺麗
綺麗なお話だ。
しかしどうして死んでしまうのか。
人々はお話の中に悲劇を求めているのか。
これは大浦君が盛大に仕掛けたドッキリなんじゃないかと期待してしまった。
佐和子が立ち直りかけていることが,せめてもの救い。
誰かや何かをなくしてしまうお話は辛い。
普通じゃないけど,幸せそうな家族のあり方。
慣れる事は無いけれど
人は大切なものを奪われたり不幸には慣れる事は無いけれど、それでも人は生き物の命を奪い食べて命を繋いで生きて行くしかないので幸福
と思える日々、大切な人と囲める食卓があるのはとても大事な事だと再確認させられた一冊でした。