あらすじ
あの山桜の下で妻の墓を守りながら最期の時を迎えよう。構ってやれなかった償いとして――。武田・上杉が熾烈な戦いを繰り広げる上信越。<老渡り>月草は殺戮の山野に独り、妻との約束の地へ向かう。待ち受けるのは思いがけない善意と信じ難い我欲。大人気「嶽神」シリーズ中、屈指の感動作。『逆渡り』改題。
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Posted by ブクログ
月草が60歳を目の前に亡くなった妻が自分が死んだら桜の木の下に埋めて欲しいと言った20年前に住んでいた里に戻る道中。
妻の骨を背負って月草も死と直面しながら、そして人の死に様を体験して自分の旅が意味のないものなのかに疑問をもつ。
そこに解決策はないが解決したとしても日常は変わらないしやらなければならない。
生きるのに何故?と思うより生きていく手段を考えて行動しないといけない。
月草と一緒に旅して考えさせられた。
Posted by ブクログ
逆渡り、仲間との再会を期さず、死に向かって一人で渡ること。六十を迎えた者を次の渡りに加えず、隠れ里に留め置く。
決して、ただ死に向かうことではない。自らが、自然の一部となし、真正面から生に向き合うのである。
生きていくとはどういうことか、考えさせてくれる非常に素晴らしい小説ですね。感動しました。
逆渡りの年齢となる現代の月草に、是非とも読んでいただきたい。