あらすじ
染色家の妻の留学に同行し、作家はノルウェーに一年間滞在した。光り輝く束の間の夏、暗雲垂れ込める太陽のない冬、歓喜とともに訪れる春。まっさらな心で出会った異郷の人々との触れ合いを縦糸に、北欧の四季、文学、芸術を横糸に、六年の歳月をかけて織り上げられた精神の恢復と再生のタペストリー。野間文芸賞受賞作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
草木染作家である妻の留学先ノルウェーに、主人公は一緒に向かって住むことになった。異国の地に足を踏み入れて、そこでみた多彩な風景、季節ごとのイベントや自然を本作でふんだんに記述される。本作も主人公は著者がモデルで、ノルウェー語どころか英語もままならない状態で、異国で苦労した体験が作品内に反映されている。それと同時に、著者が電気工事士時代に抱えた持病とそれに伴った苦悩も余すところなく描写されており、ノルウェーの移住を通して、改めて自身に向き合う。
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☆4.5 静かな生活
といっても実際はそんなに静かではないものの、雰囲気は穏やかで心やすまる。
妻の留学について行ったノルウェー生活。そこでさまざまなエピソードが起る。
1997年、主人公の〈おれ〉はノートパソコンからインターネットで仕事のEメールを送る必要があり、公衆電話の差し込み口を探すが、なかなか見つからない。ノルウェー最大の電話ショップ・テレノルで見つけても、店員に叫ばれてやってきた警備員に追い出される始末……
また、こんなこともある。路面電車に乗ってあてどなく行った先の魚屋で、その親父と懇意になる。魚は鱈、鯖、サーモン。ある日、勧められて食べた魚はおいしく、しかし正体は不明だ。……
と、まあどこか爽やかなかんじで、失敗もし親睦も深めていく。それが心地よかった。
もっと読みたい気分にさせられたところで終はりがきた。