【感想・ネタバレ】私がいないクリスマスのレビュー

あらすじ

家族だから、嘘をつく。突如として宣告された進行癌。三十歳で独身、中島育子はクリスマス・イヴに手術室にいた。終始ツキのなかったこれまでの人生。朦朧とした意識の中、毎年クリスマスには家を空けていた父親のことを思い出す。嘘ばかりついていた父はあのとき何をしていたのだろう。現代版「クリスマス・キャロル」がここに。泣ける、笑える、面白い!すべてを堪能できる作家、それが加藤元。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

進行がんを宣告され、クリスマスイブに手術を受けることになった中島育子・30歳。術後の病床、朦朧とした意識の下、夢うつつで見る光景。手を繋いで歩けなかった父、クリスマスの夜は決して家にいなかった父、亡き父への思いが交錯する。
どこかユーモラスなカトゲン節で描かれるちょっぴりファンタジックなクリスマスの夢物語。

父の重大な罪によって家族は崩壊‥‥といって想像したのは父の浮気だったけど、その陳腐な想像を遥かに超えた事実に胸を突かれた。

ーー誰が悪いとも、悪くないともいえない罪を、分かち合うこともできぬまま、それぞれに苦しんだのです。
育子の父のとった行動、かずえちゃんの母が言わなかったこと、育子の母が選んだ道、誰も責められないけど、子供の育子にとってはそれが取り戻せない時間であるからこそ辛いものだと思う。
それでも最後に、父を理解し、気持ちにおりあいをつけられたことが本当に良かった。

カトゲン作品は、相変わらず読後感がいい。
まだまだ読み続けます。

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2020年12月20日

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