あらすじ
将軍吉宗の代替わりに際し、来日する朝鮮通信使。江戸時代、朝鮮との外交交渉・貿易業務の窓口だった対馬藩は、朝鮮御役を拝命する。莫大な出費、形式を重んじる使節、無理解な老中たち。日朝双方の本音と建て前の間にあって、ときに詭弁を弄し、ときに脅し、ときに屈辱に耐えつつ近世の日朝「交隣」をささえた小藩の苦悩と奮闘。
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Posted by ブクログ
江戸時代に“朝鮮通信使”というものが来日していたということは少しは知られているかもしれないが…それに関連する実務で奔走した人達の活動はそれ程知られているとも思えない…そうした意味で本書は貴重である。また“対朝鮮関係”の考え方、位置付けの変遷、宗家が関与していた交易の変遷、江戸時代を通じて起こっていた社会の変化等、興味尽きないテーマがぎっしり詰まっている。
“朝鮮通信使”は非常に永い間に亘って続いた隣国間の友好的使節という意味で、なかなかに貴重なモノなのだが…両国の“ニュアンス”の違いの“隙間”の「微妙なバランス」の上で営々と続いてきたものでもあると、本書を読んで考えた…