あらすじ
ある朝目が覚めて、ふと耳を澄ませると、何処か遠くから太鼓の音が聞こえてきた。その音を聞いているうちに、僕はどうしても長い旅に出たくなったのだ――。40歳になろうとしていた著者は、ある思いに駆られて日本を後にし、ギリシャ・イタリアへ長い旅に出る。『ノルウェイの森』と『ダンス・ダンス・ダンス』を書き上げ、作家としての転換期となった、三年間の異国生活のスケッチブック。
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Posted by ブクログ
ギリシャに来て次にどこ行くか迷ったので再読。
ちょうどクレタにいるので、「あーこのへんね〜」と思いながら読んだ。
ギリシャは各島にそれぞれ魅力があって、時期的にミコノスは微妙やしクレタから近いロードスに行こうと決めた!
が、読んでてギリシャ本土も魅力的。
結果、移動はだるいのでこのままクレタに滞在して旅行がてらに本土に行こうかと。
他にもイタリアの話はかなり良かった!
私も去年イタリアにいたので、最後に書かれてた「イタリアは記憶に残る国」的なことはほんまにその通りやなと!
現在では生活レベルとか民度?は当時ほどひどくないと思われる。
ただ読んでてやっぱりイタリア人たちは色んな意味可愛いというか愛おしいというか笑
またオーストリアについて書かれてて、8月にひと月滞在してたのでそれもまたタイムリー!
治安いいし、暮らしやすい国やけど確かに作中であったように面白味はないかもしれない。
村上さんの文章に癒されつつ、次に行く場所の参考になり良かった!
Posted by ブクログ
1980年代の頃、著者が37〜40歳の間にヨーロッパで暮らした日々を書いた旅行記。
拠点に縛られずにイタリアはローマ、ギリシャの島々、イギリスロンドン、オーストリアなどを転々と旅する海外生活。とても疲弊してしまいそうだけれど、この間に『ノルウェイの森』や『ダンス・ダンス・ダンス』『TVピープル』を書き上げ発表しているという。
著者のエッセイは初めて読んだが、描写が面白くて笑ってしまう場面も多くて、良い意味でイメージが変わった。
どんな人物なのか、どんな基準で生活をしているのか、その一端が見えてきて興味深い。
特にイタリアの話は面白いというか、恐ろしかったな。ちょっと想像を超えてくる。イタリアの郵便事情や犯罪事情は、日本人の基準からしたらあり得ないことの連続だった。ローマへの悪口の熱量が凄いので笑ってしまう。国によって色んな国民性が見られるのがまた面白かった。
奥様との会話も力関係が伝わってきて微笑ましい。