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Posted by ブクログ
ただのしずかな日々ではない感じがずうっとうっすらある。
おとなしい小学生が祖父の家で暮らすことになり友達ができて楽しい夏休みがすごせた話、ではあるんだけど母親の様子がずうっと気になる。
表面上はしずかな日々だけど、ずっと必死で穏やかでしずかにあろうと自分の気持ちに予防線を張って生きている感じがあり、小学生のうちから親に気を遣っているのが痛々しい。
最後あっという間に大人になってから語られる母との関係がやっぱりそうだったのかと思わされる。しずかではいられなかった中で、祖父と過ごせたことでえだいちは彼の境遇の中では最大限のしずかな生活ができていたんだな。祖父がかっこよすぎるな。
Posted by ブクログ
母さんと2人きりのしずかな生活は、物理的な静かさと心細さををかんじた。水槽の中で飼われている金魚のようなかんじ。
おじいさんと友達のいる賑やかな中にあるしずかな時間は、言葉をかわさなくても何となく分かり合える空気感に安心している様子。
穏やかな海の水面に浮かんでリラックスしているような感覚。
母さんとのしずかな生活を経験しているからこそ、おじいさんと友達とのしずかな時間を大切に思えるんだろうな。
過去があるから今がある。
Posted by ブクログ
小5の夏、少年が母親との二人暮らしから脱して、おじいちゃんの家での新たな生活をいきいきと過ごす様子が描かれています。おじいちゃんや友達と関わり合い、自然を堪能し、その生活の素晴らしさをかみしめながら過ごす様子が描写され、全体的にとても爽やかです。
ただ全体の爽やかさに対して、母親が異質で、その違和感もあいまってひきこまれた部分もありました。何か変わったバランスの小説でした。
読んだ後、じわじわと、母親をどういう存在として描いたのかが気になりました。単に、おじいちゃんや友達との心身ともに健康的な生活との対比で登場させたのか、辛さを抱えた存在としてなのか、自分なりに生きる道を探して乗り越えた存在としてなのか。。主人公の男の子は意志の力で、母のことを乗り越え、その客観的でしずかなとらえかたは素晴らしいなと思いますが、母親の辛さや内面も気になってしまいました。