あらすじ
おじいさんの家で過ごした日々。それは、ぼくにとって唯一無二の帰る場所だ。ぼくは時おり、あの頃のことを丁寧に思い出す。ぼくはいつだって戻ることができる。あの、はじまりの夏に――。おとなになってゆく少年の姿をやさしくすこやかに描きあげ、野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞をダブル受賞した感動作。
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Posted by ブクログ
まゆかがくれた本
小学5年生の主人公の夏休みを回想するのが本編
いやー、いいすね
て感じでした
上京した自分の心のどこかにずっと地元への郷愁があって、ノスタルジーを感じているというか
就活が始まったので将来子供が出来た時にどんな環境でどの様に育てたらいいのか、そこまで考えてとても頭を悩ませている
正直全くこの小説と同じような環境で育てたいなと思っていたので、「コレコレコレ!」と思いながら読み進めた
自分の理想と重なる部分があって良かったのもあるけど、単純に小説として主人公(小学5年生子ども)の心理描写の解像度が高すぎてとても良かった。
子供の頃に読んだらあんまり刺さらなかったと思う。いま大人になってから読めて良かった。
Posted by ブクログ
ただのしずかな日々ではない感じがずうっとうっすらある。
おとなしい小学生が祖父の家で暮らすことになり友達ができて楽しい夏休みがすごせた話、ではあるんだけど母親の様子がずうっと気になる。
表面上はしずかな日々だけど、ずっと必死で穏やかでしずかにあろうと自分の気持ちに予防線を張って生きている感じがあり、小学生のうちから親に気を遣っているのが痛々しい。
最後あっという間に大人になってから語られる母との関係がやっぱりそうだったのかと思わされる。しずかではいられなかった中で、祖父と過ごせたことでえだいちは彼の境遇の中では最大限のしずかな生活ができていたんだな。祖父がかっこよすぎるな。