あらすじ
ストラスバーグにアメリカン・ドリーム社買収の妨害工作を仕掛けられた鷲津政彦は、アメリカに宣戦布告する。AD社破綻のXデーに向けてウォール街が混乱する中、ワシントンDCもついに動き始めた。強欲の坩堝に身を置き、闘い続ける鷲津。その胸に秘められた衝撃の戦略とは。「ハゲタカ」シリーズ第四弾!
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Posted by ブクログ
感想
AD社がどこがモデル企業か気になる。GEかと思ったが??
あとは鷲津が目立つが、やはりリンの存在無くしては語れない。締めるところは締めるリン最高!
日本はアメリカを仲良しだと思っているが、アメリカでは中国の話題はあっても日本の話題なぞない。まさにその通りすぎて悲しくなる。どこまでお追従主義なのか。
いつも最後は勝ってきた鷲津が今回は、表面上は負けたが、実は勝つ!そんなパターンがあったんだ。しかも、大統領まで巻き込むなんて。
ハゲタカシリーズを読めば読むほど、自分の仕事のちっぽけさに打ちひしがれる。
あらすじ
リーマンの破綻のXデーは今か今かと騒がれていた。そんななかADのCPの償還日が来て、サムライ・キャピタルが救済に手をあげるも、別の投資家がADを助ける。彼は実は裏で鷲津と繋がっていた。
GCは資金調達に必死で混乱を極めていた。ジャッキーは、ストラスバーグの言いつけを守って鷲津に張り付く。ADの手助けも行う。CGは現CEOのマシューを辞任させて、経営陣を交代し、ADにTOBを行うことで資金を集めて困難を乗り切ろうとしていた。そんなADを鷲津は虎視眈々と狙っていた。
CGの救済は飯島にお願いしてUTB銀行を巻き込んで行い、AD陣はストラスバーグとアルバートまで引っ張り出して、アメリカを守る精神に訴えかけた。鷲津は追い込まれるが、実は全て彼が描いたシナリオ通りだった。アメリカ企業を日本人が買い叩くなどアメリカでは心情的に受け入れられないため、表向きはADに全て株を売却するが、実質の経営権は鷲津が握ることになった。今回もビックディールを成功させたのだった。
Posted by ブクログ
今度のハゲタカはリーマンショックネタ。
ちょっと今更感がないこともないけど、話の展開も絶妙で面白かった。休みだったのもあるけど、上下巻あっという間に読んでしまいましたw。
Posted by ブクログ
アメリカ人の心の中にある、黄色人種を睥睨する気持ちがよく表されている。実際、米国在住時代にそのように感じたことが多々あった。もっとも、その当時は投資家の立場だったので、ビジネス優先で割り切った対応も多かった気がする。
素朴な疑問として、鷲津のやってることは何らかの法律に引っかからないのだろうか。緻密に練り上げられたシナリオには脱帽だが、自分の金で自分の債権を買い取ってるのに、莫大な稼ぎが生まれるのであれば、それこそどこかに歪みが出ているハズ。
Posted by ブクログ
上巻の流れをそのままに、とても面白く最後まで読めた。
負けに見せかけて勝負に勝つ、アメリカンドリームの実質オーナーになった鷲津。
サミュエルストラスバーグは手配されたが、黒幕は大統領だった、最後のシーンは痛快。
Posted by ブクログ
リーマンショック直前のアメリカを舞台にターゲットは象徴的な投資銀行と名門メーカー。スピード感ある展開と主人公が仕掛ける策、期待を裏切らない爽快感とともにイッキ読み。
Posted by ブクログ
3
ストラスバーグ、GC、AD、KKLのクラリスとともに、FBIや州知事、大統領までが絡み壮大な内容。リーマン、GCの破綻、米国の魂の企業ともいえるADの買収劇は圧巻。最後に明かされる全ては鷲津の手の平の上で踊っていた的な展開もすごい。秘密裏にAD側の研究開発役員とつながっていた話も伏線が効いてよい。誠実で一生懸命なジャッキー、ジャーナリズムに熱いリッキーが個人的には好感。日本に買収されようとした時に州ぐるみで守ろうとする地域に愛された、アメリカンスピリッツはすごいと感じた。そのような存在感のある企業は強い。
アンソニーがやっているアフリカ援助の下り。アフリカ援助という相互扶助。欧米列挙の食い物にされてきた償いという見方。援助により波及効果が生まれやがて未開の地が一大消費地へと進化するビジネスという見方。
リンの評価。ビジネスを成功させるための非情さと権謀術数の巧みさ。常にクールに振る舞いながら気づいた時には獲物に止めを刺している。対照的な扱いを受けるジャッキー。誠実で一生懸命。
ライオンキング。ハクナ・マタタとはスワヒリ語でなんとかなるさ。
佐藤優の解説にある、「投資銀行の世界だけでなく、政治、学術あるいは作家の世界でも「天才的な閃きがないなら努力なんてクソだ」というのが真実なのだと思う。しかし、それを口に出してしまったら社会から浮き上がってしまい生きにくくなる」という文言。これは諦めている人の言葉であり、努力した先に閃きがあるのだと思う。