あらすじ
「ウェブ」と「アメリカ」を考えるための新たな基本書の誕生。批評の新次元を開く待望の書。著者の池田純一氏は、デジタル・メディアの黎明期からの専門家であり、コロンビア大大学院で公共政策・経営学を学びました。ニュースや事象をいちはやく分析、ウェブと社会の関わりを洞察するブログ「FERMAT」(http://www.defermat.com/)は、高い評価を集めています。●Apple、Google、Twitter、Facebookは、なぜアメリカで生まれたのか? ●Googleを支える思想とは何か? それはこれからどこに向かうのか? ●FacebookとTwitterの本質的な違いはどこにあるのか? ●ウェブの展開は「ソーシャル」という概念を、どう再定義していくのか? ●ウェブによる国際化(全球化)に、ビジネスマンをはじめとして人々はどう対処していったらよいのか? これらの問いに答えながら、本書は同時に、「ウェブはアメリカの文化的伝統を、いかに継承・具現しているのか。社会の変容にどう寄り添い、国境を越え、結果として世界を動かしていくのか?」という壮大な問いに、歴史、社会、経済、思想、工学、建築、デザインなどの分野の境を超え、端正でやわらかな文章で語っていきます。ウェブが抱いてきた夢=「構想力」の源流をたどり、ゆくえを探る、斬新かつ根源的論考です。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
* ウェブの死:クリス・アンダーセン
* スマートフォンやタブレットの登場で、インターネットの中に世界中にオープンなWWWとは異なるクローズドな世界が作られている
* その帰結として、ウェブの細断化/断片化が進んでしまう
* iPhoneやFacebookのようなモバイルウェブやソーシャルウェブの動きがそれで、そうしたクローズドな世界を提供するアプリケーションによって、自由なアクセスが担保されたWWWは死んだ
* ウェブの死は、逆に言うと新しい何かが生まれようとしてるとも言える
* 個別に作りこまれるIFが乱立すると、ウェブが持つリンク可能性がもたらす相互参照性が薄れる
* ウェブは本来、水平的な網目構造は相互に行き来が可能、参照が可能な世界
* ネットワーク外部性
* 初期の優位性が短期間で最終的な優位性につながってしまう
* 繋がりがつながりを呼び、そのつなげてしまった結果うまれる「皆が使うから使う」という選択圧力の効果
* ソーシャルグラフ
* 人間の交友関係を捉える視点
* 人はグラフ構造のノードとなり、人と人との交友のありなしが、そのノード間のブランチで表現される
* オライリーのWeb2.0のコンセプト
* 今後のウェブ活動を支えるのは、ブラウザやアプリのような目に見えるフロントエンドのIFではなく、表向きは見えないバックエンドに蓄積されるデータであるという認識
* ウェブの死はあまり気にかけていない
* Googleが革新的だったのは、リアルワールドからのマネーの補填に頼らずに、ウェブの活動そのものでマネーが回る仕組みを作ったこと
* カウンターカルチャー
* アメリカで主に60年代に起こった若者による運動の総称
* ヒッピー、ドラッグ、ビートニク、コミューン運動、フリースピーチ運動、公民権運動、女性運動、ゲイ開放、ベトナム反戦
* ARPANETは冷戦下の核攻撃による通信網の破壊=連邦政府機能の停止による恐怖から生み出された
* 2点間を結ぶ電話網の脆弱性の克服が開発当初からの目的
* 採用されたのは効率性よりも冗長性を重視する分散型のネットワーク
* 当初からパケット方式が利用できるデジタルネットワークとして設定
* Comprehensive Design :バックミンスター・フラー
* デザイン=設計の際には、全体(Comprehensive)を見渡した上で、最小限で最大の効果を得るのが最良のデザイン
* ソーシャルネットワーク
* 端的に社交関係のこと(社会全体とか共同体とかのイメージではない)
* 社交デビューすることで社会化(socialize)が完成する(アメリカ特有のパーティ(ボール)に男女で参加するような)というアメリカの慣習に基づく
* オプトイン/オプトアウト
* オプトイン:ユーザが利用する(in)という意思を示さなければ使えない
* オプトアウト:ユーザが利用しない(out)という意思を示さない限り利用できてしまう
* ビズストーン(Twitterの創業者の一人)
* Value Before Profit:人々が日々使ってくれるなにか価値があるものを作ることが最優先事項
* GoogleとFacebookは対極的な発想を持つ
* Googleの方向性
* 人工知能研究の成果を取り入れ、徹底的に機械化/アルゴリズム化をして、ウェブの利用の具体的プロセスで極力人の介在を排除する
* それによって人間の恣意性を排した客観性=公平性を担保する
* FaceBookの方向性
* あくまでネットワークを操るのは人間。
* 人間の側が自らの意思で「シェアする精神」に寄することでウェブを豊かにするのが大切
* 現在のウェブは三層構造
* 場=プラットフォームを作る人(アーキテクト)
* その場の上でサービス/アプリを作る人(クリエイター)
* そのサービスを消費する人(プレイヤー)