感情タグBEST3
Posted by ブクログ
それまで普通の生活を送っていた少女たちが、突然に体から高純度のレアメタルを生成する能力が生まれる。
レアメタル生成症候群。
国は少女たちを隔離して高純度のレアメタルを手に入れることによって経済はさらに発展した。
しかし、レアメタル生成症候群の少女たちは短命で、25歳までしか生きられない。
冴矢はレアメタル生成症候群を発症して施設に送られてきた。
誰をも寄せ付けない雰囲気を持つ彼女だったが、管理官の江波と心を通わせるようになる。
だが、ある事がきっかけで彼女は二度と出られない外界を目指そうともがき始める。
というわけで、久々の青柳碧人の本。
この人は小説に環境問題や時事問題のテーマ性を盛り込んでることが多い。
今回はレアメタルについて。小説書かれた3年前はレアメタルがどうだの、って確かに騒いでたな(最近は聞かないけど)。
中盤までの設定は面白い。レアメタルを体から精製する力と短命を運命づけられた少女たちの葛藤と諦めが醸し出す雰囲気が良い。
後半の盛り上がりの内容と、その動機が弱い。
終わり方はとても良かった。運命にはあらがえずどうしようもないが、少なくとも希望で締めくくられてるラストシーンが読後に好印象だった。
関係ないけど、体からレアメタルを生成するという設定にエレメンタル・ジェレイドを思い出すのは俺だけじゃないと思うがオッサンやな。
Posted by ブクログ
どこにも行き着かない閉塞感と、そこはかとないさみしさが漂う作品でした。これが本当に国の経済を支える規模で成り立つとすれば、立派に戦争の火種になりますね。
Posted by ブクログ
「恋愛×SF×サスペンス」
レアメタルを製造する女の子たちの物語です。
ごちゃ混ぜになってて焦点が当てにくい…
政府が関連していたり、レアメタルやレアアースについての知識がかなりある辺り、どこか浜村渚の計算ノートシリーズの作者らしい物語でした。
Posted by ブクログ
レアメタルを身体の一部から生成するレアメタル生成症候群の少女たちが暮らす施設を舞台に、管理者の中年男・江波とレアメタル生成症候群の少女・冴矢の交流と破滅(?)を描くSFちっくなラブ・ストーリィ。冒頭から際どい描写で、しばしば性的な表現が出てくるのでその辺りは読者によっては要注意。終盤以降の展開についてもそうしたセクシャルな事象が直截的に関わってくるため、泥々した印象は否めない。二人の行く末についても、余りに苦すぎる救い。それだけに、物語の中心となる江波と冴矢よりも、江波の後輩である高松の存在が逆にピュアにも思え、最後まで彼の好感度だけが上がり続け、高松ならばきっと将来この「夢」を現実にしてくれるだろう、という信頼感。