あらすじ
「ニヤつきながら そこで待ってろ メフィスト」謎めいた少女・ヨハンナは、立ち寄ったとある街で、本泥棒として追われていた少年・マリオンを助ける。しばらくの間、彼の教師役を買って出たヨハンナだったが、その狙いは、封じられた己の悪魔を取り戻すことで……!? 悪魔のパーツを捜し続ける不死の少女・ヨハンナの、契約と禁忌をめぐるダークファンタジー、開幕!!
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Posted by ブクログ
あっ、これは好きな偏屈ヒロインだ。
モデルはファウスト博士。悪魔メフィスト=フェレスと契約した有名なあの人です。
で。その方がどうしたことかTSし、うら若き少女の姿に。…ニヤリ顔が似合うショートボブの眼鏡っ娘とかたまりませんなぁ。ぶっきらぼうで尊大な物言いの中で時に見せる物憂げな表情もまたおいしい(ゲスか)。
不死の呪いをうけつつも自分だけの悪魔・メフィストを探す彼女の目的は―
思いの外、意外かつ単純明解で笑っちゃいましたがw>目的
とはいえ、捻くれ者の語る目的ですしね。真意はさてどうなのやら…にやり。
なんにせよ、悪魔と魔術が見せるダークファンタジー。
登場人物たちもイチイチ自己主張が強くて楽しい。普通の少年かと思えたマリオンも妙にめんどくさくていい感じですw
その中でもフラウ・メフィスト=ヨハンナの不器用さがたまらなく愛しい。周囲に理解を求めない。傷つきながらもただひたすら自分の信じるものを追う、この辺のツンデレ具合は本当に魅力的です。
ただ…耽美の気配がするけどな!!
巻末同時収録の読み切り「透明博物館」も面白かった。読み切りじゃなく続きが読みたいですねぇ。
不思議なファウスト博士の話と
巻末には別の読み切り短編が収録されていて、これはこれで興味深い作品でしたね。
作者もあとがきで触れていましたが、ファウスト博士、この作品では子持ちの女性で、この子どもというのもホムンクルス絡みです。
本泥棒を働いていた少年(家が没落したようでした)と共に、行動したりで、当然、メフィストフェレスも出てきますが、この造形も作者の工夫が入っていますね。
ファウスト博士といえばゲーテでしょうが、個人的には手塚御大の遺作も割と好きでしたよ。