あらすじ
天魔は跳び"屍蝋"は滴る。怪異が其処に……。刀城言耶、揺籃の時代。奇っ怪な分身、"生霊"の目撃談が語り継がれる奥多摩の旧家、谷生家。それが現れるとき、当人に死の影が指すと恐れられる謎の現象である。同家を訪れた刀城言耶は、そこで不可解な復員兵の死に遭遇するのだが……。表題作他、全五編を収録した"学生時代の事件簿"と言うべき"刀城言耶"シリーズ第二短編集。
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Posted by ブクログ
刀城言耶シリーズの短編集第二弾。
言耶の学生時代で、まだ探偵・小説家として活躍する前の話。
タイトルの『生霊〜』は田舎の旧家に伝わるドッペルゲンガーのような伝承にまつわる事件。
表題作の他に事件現場に残された足跡により現場が密室化するものが二作、密室状態の現場から人が消失するものが二作。
言耶が成り行きから探偵のような役割を果たすが、名探偵の父のことに触れられるのを露骨に嫌がるのがまだ青いなあ。
そして阿武隈川烏の存在感(笑)
終盤で推理が二転三転するのはお決まりといえるが、そのせいであらゆる可能性を排除してもどうしても残る怪異が余計恐ろしく感じる…
Posted by ブクログ
刀城言耶シリーズの5篇からなる短編集。
刀城言耶が大学生時代に遭遇した事件等を描く。
怪談や不思議な現象を聞きに行った先で事件が起こりそれを解決したり、探偵を頼まれた先で事件に遭遇したり、たまたま通りがかった先で過去の事件を推理したりと、長編とほぼほぼ同じパターン。
1,2編はそんなに評価出来ない感じだったが、最後2篇は面白かった。
最後の2篇のようなのが5篇とも揃っていたら評価をたかくしてたが、総合でこんな評価かなって感じ。
Posted by ブクログ
メモ
「死霊の~」
四家の構造の由来が最低でなんか笑ってしまった。
勝手に歩く下駄の真相は妥当なところ。
お父上との絡み!
「天魔の~」
誰が魔物だったかという話し。
子供が犠牲になる話しはやるせないわね。
阿武隈川先輩の暴走が緊張緩和の役割をしている……煽るのがうまい。
「屍蝋の~」
みんなが大好きな屍蝋。
「生霊の~」
田舎のお家騒動×復員兵×なりすまし。
依頼者が怪しいパターン、好き。
「顔無の~」
阿武隈川の怖れられかたが妖怪で笑うし事実なんだろうなというのも笑える。
恐怖の余韻は四編のなかで一番。
非日常の高揚と心細さがありありと想像できてよい。
言耶の含みが気になるじゃないか。