【感想・ネタバレ】高橋治のおくのほそ道ほか シリーズ古典(6)のレビュー

あらすじ

みずみずしい言葉と感性。いま、古典が甦る! 第一線で活躍する作家が手がけた古典現代語訳の決定版シリーズ! 『奥の細道』ほか近世俳句の最適入門書。 五・七・五に凝縮されたことばのきらめき! 芭蕉の『奥の細道』ほか、『山中三吟両吟歌仙』、蕪村の俳詩など近世名句の数々を、高橋流解釈とともに味わう!

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Posted by ブクログ

  奥の細道は江戸時代に松尾芭蕉によって書かれた俳諧紀行文です。芭蕉は1683年、門人である曾良と共に江戸を出発し、関東・東北・北陸を経て大垣に至るまで旅を続けました。各地でよんだ句は50句にもなります。旅程は600里、5ヶ月あまりの旅でした。この奥の細道は芭蕉円熟期の代表作と賞されています。

  メインである奥の細道も大変おもしろかったけれど、私が一番おもしろいと思ったのは歌仙でした。場面が次から次に移り変わり、それでいて繋がりがあるからバラバラにはならない、なんとも素敵な世界でした。歌仙は作る人たちの発想次第で世界をいくらでも広げられます。思わず自分でも作ってみたくなりました。

  俳句は世界でも稀な文芸です。1句1句の短い中で読み手に様子がわかるように伝えるのは至難の業です。芭蕉の俳句には音や光が存在し、情緒に溢れています。時々芭蕉の無常観が見え隠れすることもありました。曾良の俳句は芭蕉に比べると親しみやすいものでした。さすが画家と感じさせたのは与謝蕪村で彼の俳句は色鮮やかで物の対比が上手く、浮かび上がる映像がとても綺麗でした。俳句の素晴らしさに触れることのできる1冊だと思います。

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2011年07月17日

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