【感想・ネタバレ】ナポレオン フーシェ タレーラン 情念戦争1789-1815のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

フランス革命からナポレオンの没落までの大役者、ナポレオン、フーシェ、タレーランの三人と、彼らを突き動かした情念に焦点を当てた歴史読み物。
といっても歴史的資料というよりももっと気軽な内容。何といっても連載元は週刊プレイボーイだ。堅苦しい話は一切無く、軽妙な語り口でぐいぐい引っ張ってくれた。そこそこ分厚い文庫だが、気がつけば怒濤の30年を一気に駆け抜ける。

それもそのはず、読み物としてこれだけ読みやすいのは、着眼点がぶれていないからだ。分かっちゃいるけどやめられないを地で突き進む三人が、周りを巻き込みつつ、互いに相手を誤解し利用して一つの時代が作り上げられていく。その過程は、あの時代の人間たちにとっては不謹慎だが、痛快である。

それにしても驚かされるのは、この三人の飽くなき活力だ。情念としてこの本では取り扱われるが、ナポレオンは常に歴史に向かって突き進み、フーシェはただただ己の能力が発揮できることにのめり込み、タレーランは新鮮で飽きのこない快楽を追求する。ありがちな偉人伝には描かれない側面があるからこそ、彼らは歴史上の人物になり得たのだ。

一番のお気に入りはフーシェ。このカメレオンがナポレオンにトドメを刺したのだ。そして唯一の色恋に迷って舞台から転落する。あわせてツヴァイクの伝記も読むべきだろう。

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2010年12月07日

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