【感想・ネタバレ】15歳のテロリストのレビュー

松村涼哉

[ブクログ · ★★★★★]

渡辺篤人：放火により最愛の妹と祖母を失った少年。15歳。
安藤：少年犯罪を扱う記者。恋人を少年犯罪により殺されている。
灰谷ユズル：安藤の恋人を殺している。富田ヒイロを唆し、放火をさせた。テロの実行犯。
富田ヒイロ：渡辺篤人の家に放火をした実行犯。
灰谷アズサ：殺人と放火を唆した少年の妹。
比津修二：衆議院議員。少年犯罪に対して急進派。灰谷ユズルにテロを唆す。

比津が未成年に脅迫犯罪を犯させ、記者の安藤に世論を先導させ、自身の欲望通りに法を変えさせようとしたというのが事件の真相。
爆弾の実験をしていた実行犯の灰谷ユズルを篤人の妹が目撃したため放火の憂き目にあう。篤人は富田ヒイロ、灰谷ユズルに接触したが真犯人は別にいることに気づき、それを止めるためにテロを乗っ取り、爆発場所を教え、被害を最小限に抑える。15歳の少年の行動力に驚かされる。
未成年の犯罪に対する法律の甘さや、世論により更生ができない環境を作っていること、それにより加害者家族を苦しめていることなど考えさせられる1冊だった。

[ブクログ · ★★★★★]

少年法について考えさせられる一冊。
被害者、加害者だけではなく
関わる周りの人たちへの影響の大きさ。
マスコミの影響、ネット社会のメリットデメリット。

[ブクログ · ★★★★☆]

最後は少しご都合主義を感じたけども、概ねは良かった。少年法がなんの為にあり、どうすればいいかを考えさせられるような小説だった。
個人的に記者の安藤に少し不快感を覚えた。被害者の一人とは言えども、意味もなく加害者だけでなく加害者の周りまで傷つけてしまうような(主人公も似たようなことをしているが)、浅はかな考えで『復讐』してしまうDQNさに。自分も似たようなことをしたことが何回もある。だからこそ同じようなことをしてしまった安藤を自分に自然と置き換えて考えて過去の過ちを思い返し、不快感を覚えたのだと思う。