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Posted by ブクログ 2019年11月16日
大内家に忠誠を誓いながらも国を統治するために主を殺し、然るも大内という旧体制の中で西国支配、果ては天下を狙っていた陶晴賢。史実がどうあれ、勝手に抱いていた自分がのし上がるために礼を無視して上に立った男ではないということはよく分かった。そして、序盤からの毛利元就との太い絆がどう転じていくのが先をめくる...続きを読む手を進ませる大きなポイントだった。
最後にある通り、晴賢が大内に拘ったのは常に天下を見据えていたからかもしれない。旧体制を壊すのは簡単だが、全国という広い世界を収めるに「名」は何よりも大事だろう。事実、毛利は西国を手中に入れるに留まったのだし、愚かと悪名を残すとも評価に値するのではないかと思う。
作品に関しては、大寧寺の変が一番のピークで、最後の厳島合戦までは少し盛り上がりに欠けた感じがする。戦のシーンを描くのは少し下手なのか、地図がないからなのか、いまいち入り込めなかった部分がある。個人的には死に様が好きなので、宮川房長や弘中包隆の最期も描いて欲しかった。