あらすじ
工作機械は「機械を作る機械」であるため、「マザーマシン」と呼ばれる。私たちが日常で使うスマホといったものだけでなく、航空機など、あらゆる人工物を作るのに欠かせない。そのため、日本やドイツのように、強いものづくりの背後には必ずといってよいほど強い工作機械産業が存在する。そしてこの四半世紀、日本の工作機械産業は世界最強であり続けた。表舞台にはめったに登場しない「世界最強の裏方産業」50年の革新史を描く。
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Posted by ブクログ
工作機械はマザーマシンと呼ばれる。ここが強いといろんな産業が強くなる。
ファナックは富士通から分裂した会社。nc機械のnc部分だけが所掌。
米国では、工作機械メーカがncを開発した。自社で開発する余力があったので、自社製品によりフィットするncが作られた。工作機械の顧客は航空機や自動車メーカがメイン。すでに完成された顧客であり、チャレンジが難しかった。
日本では、工作機械メーカに開発余力がなく、nc専用メーカが出てきた。かつ顧客が中小企業であり、チャレンジが許されたため、nc工作機械が広まった。
さらに、ファナックにすべての工作機械メーカからの要望が集まったので、どんどん進化が進んでいった。
これは、自動運転ソフトと自動車の関係にも言えそう。ソフトとハードの関係。
ソフトがうまくいくには、モジュール化。いろんなハードに使ってもらえるようなソフト。
また、ファナックでは、nc⇒cncの動きの中で、うまい経営判断が採用された。ncとcncは別チームでリソースが与えられ、新規事業であるcncには黒字化までの時間も与えられた。別チームで動きつつ統合リーダがいたので、nc⇒cncへの切り替えを一気呵成に実施するという判断もできた。
これから日本で何作る?
1.最終完成品のハイエンド ⇒ 高級自動車
2.新興国が容易に模倣できないコア部品 ⇒ 村田のコンデンサ
3.補完する製品 ⇒ ファナックのcnc部品。自動運転のソフトウェア。