あらすじ
この本に登場する女性は、あなたの娘や妻かもしれない!
東洋経済オンライン2億PV突破の人気連載、待望の書籍化!
風俗で学費を稼ぐ女子大生、明日が見えないシングル派遣社員、子供たちの未来を奪うシングルマザー……、
貧困に喘ぐ彼女たちの心の叫びを「個人の物語」として丹念に聞き集めたノンフィクション。
いま日本で拡大しているアンダークラスの現状が克明に伝わってくる。
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Posted by ブクログ
東京に住む貧困女性達の現実
地方に住んでますが、私もシングル子供1人の貧困経験があります。
離婚して30万円だけ持って何とか引っ越し、部屋を借り、子供は週6保育園、朝から晩までしっかり働き、深夜まで内職をする日々。
辛かったけど、何も諦めたくなかったので必死でした。
地方だし、たまたま正規雇用に就けたから良かったものの、東京で非正規雇用だったら私もこの本に掲載されていたかもしれない。
全ての女性に読んでほしい。
明日は我が身とはこの事。
Posted by ブクログ
とにかく恐ろしい本でした。
ごく普通の生活をしていた人たちが、離婚で、家族の介護で、過重労働の結果体を壊して、簡単に貧困に転落していく。
娘が最初に仕事を辞めたとき、川崎に住みながら東京でダブルワークをして3年ぐらい頑張った。
力尽きて北海道に一度戻ってから1年半後に、東京で正社員の仕事を見つけることができたのは、思った以上にラッキーだったということか。
しかし、どうにもこの著者にはいろいろ偏見があるように感じられる。
高齢者=金持ち。
金持ちで先の短い高齢者のために、貧乏で将来があるはずの若者が食いつぶされているという構図が多すぎる。
高騰する学費のため現役時代からパパ活や風俗をやらないと生活できない貧しい女子大生は、サークル活動に時間を取られて普通のバイトではやっていけないという。
サークル活動を諦めたら?という選択はない。らしい。
それは個人の尊厳の問題だから。
楽しい学生生活を送ってきた世代にはわからねえよ、という論調。
私は、手が届かないものは諦める、という人生を送ってきたので、楽しい大学生活は端から送っていませんが。
とにかく介護職に対する偏見がすごい。
事務所は非人間的なブラック事務所ばかりで、簡単に手に入る労働者としての介護職は使い捨て。
国は、「ひとのためになる、やりがいのある仕事」と美辞麗句で若者や手に職のない女性を洗脳し、次々に介護事務所に労働力を供給するシステムを作る。
確かにそういう面もあるのだろう。
でも、それが全てか?
少なくとも私の周りにいる介護職の友だちは、そんな影を見せたことないし、うちよりも収入の多い配偶者と暮らしていても仕事を辞めようとはしていない。
”介護現場の不倫は、どこでも耳にする。(中略)閉じられた中で、恋愛関係になりやすいのだ。さらに不倫は違法で、相手の配偶者から慰謝料を請求される可能性があることを知らない職員がほとんどで、とにかく乱れた関係に走りやすい。”
ここまで書くと行きすぎでしょう。
私の感覚では、東京の東側は家賃をのぞいて地方都市よりはるかに物価が安い。
東京だから貧困に転落したというよりも、その時その時の判断ミスに負うところが多い気がする。
情報弱者であったこと。
福祉が弱者に寄り添うものになっていないこと。
一度転落したら這いあがるのが難しいこと。
このような現実があるということを肝に銘じて、人とのつながりを大切に生きていかなければなあと思いました。
貧困へのセーフティーガードの第一が、人とのつながりなのよ。
孤立したら、情報は入ってこないし、手助けも見込めない。
ひとりで悩んだあげくに負のスパイラルというケースが多いように思いました。