あらすじ
(あらすじ)
主人公は、人とのコミュニケーションが苦手だが、「胎児の声が聴こえる」という特殊能力をもった産婦人科医師・橘継生(32歳)。
勤めていた総合病院で、担当患者が“産後うつ”で自殺してしまったことをきっかけに、バーンアウトしてしまう。
心機一転、地方の小さなクリニック・尾音産婦人科でやり直すことになったものの、
そこは、人情味溢れる「オネエ」の助産師や筋肉マニアでノリの良いゲイの院長、とても男性だったとは思えない美人心理士など、
様々なジェンダーかつ強烈で愛すべき個性をもった人たちが働いているクリニックだった。
思いもよらない環境にショックを受ける継生だったが、自分の中に無意識にもっていた偏見に向き合いながらも、自身が抱えたトラウマを乗り越え、医師として、人間として成長していく……。そんな、たくさん笑えて、ホロリと泣ける“命と家族の物語”。
<カバー+本文&キャラクターのイラスト>
鈴ノ木ユウ(漫画『コウノドリ』作者)
<推薦の言葉>
◎心の冷えた部分に、一枚、毛布をかけてもらえたような気持ちになれた。
――放送作家 鈴木おさむ
◎そばに寄り添って、よく頑張ったねと言ってもらえれば、もっと泣くことができる。例えば、オネエ産婦人科で私が産んでいたとすれば、それはそれは力強いだろう。
――歌手・作詞家 一青窈
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
私の中で
出た!公共交通機関で読んじゃいけないシリーズ!
めっちゃ泣いた、嗚咽しそうになりました。
最初は、面白く読んでたけど最後はヤバかった。
涙、ボロボロで嗚咽しそうなのを声を殺して読みました。
最近、読んだ中での私の中での大ヒット作品です。
この本が星5なら他の一つ下げなきゃって思うくらい私の中では大好きな作品です。
読みやすさももちろんですが、すごい母親の気持ちを代弁してくれるような文もあり。
旦那さんにむかって
あなたは子どもを産むことも育てることもなにもわかってない〜に続くセリフ、母親なら「うん、うん」って思う人多いんじゃないかな?
人は、幸せになるために生まれる。その最初の手助けをするのが産科医
すごい!その通りだなぁって。
本の中に出てくる病院、素敵!
こんなところで産みたい。
初めて行ったら、驚き戸惑うかもしれないけど。
ステキな作品でした。
Posted by ブクログ
最初はキャラクターの独特な話し方に癖を感じて読みづらく感じたが、読みやすくていい話だった。
産後うつの登場人物のカウンセリングの内容が特に印象的。
妊娠中に読めてよかった。
Posted by ブクログ
地方の小さなクリニック・尾音産婦人科、通称オネエ産婦人科にはゲイの院長はじめ、男性として生まれたけれど心が女性の助産師や臨床心理士などいわゆるLGBTの人達が働いている。
冒頭から昭和のギャグ連発で個性豊かな登場人物達にコメディ作品かと思いつつ読み進めると、その奥に隠れていた重いテーマに気付き胸が苦しくなっていく。
辛い経験をして来たからこそ他人に本当の意味で寄り添える登場人物達の温かさが沁みる。
産後うつの苦しさに共感し、イクメン気取りの夫には心底腹が立ち、後半では感動が押し寄せる。
この作品に出逢えて良かったと思える幸せな読後感。
Posted by ブクログ
自分らしく生きていくことと産婦人科で知る命の尊さ。
人付き合いが苦手な胎児の声が聞こえる産婦人科医の継生。
総合病院で担当した患者が産後うつで自殺してしまい、責任を感じるうちに自らも心を病んでしまっていた。
なんとか社会復帰した転職先の新しい産婦人科では、
先生たちが様々なジェンダーを抱えながらも楽しく前向きに出産からその後のケアまでを行っていた。
ゲイの院長、トランスジェンダーの助産師に医師に臨床心理士。レズビアンの助産師。
濃厚すぎるキャラ勢揃いのスタッフに囲まれて
心を閉ざしていた継生が徐々に回復して患者と向き合っていく様子。
第一子の産後うつの経験から第二子の出産をためらう妊婦さん。
養護施設で育ったことをトラウマに感じる19歳の妊婦さん。
命が生まれることの大変さと、育てていく大変さ。
出産はもちろん本当に大変だし、産んだら終わりじゃなくて、始まりでそれからがまた大変なんだよね。。。
Posted by ブクログ
ありえない設定!
最初はキャラで引っ張っているんだろうと訝しんでいた。
でもさすが当事者へ丁寧に取材してきた筆者の想いがこもった物語。
産後うつや夫婦の葛藤は一筋縄ではいかないやりとり、何が正解かもわからない、リアルでぐっとくるエピソードも。
傷ついた経験があるから人の痛みに寄り添える。
主人公がたくましく母を乗り越え、真の親像を理解していく姿にも共感!
Posted by ブクログ
目に見えるマイノリティの人たちから学ぶ自分のなかのマイノリティの発見。辛いことやチャレンジングなことを経験した人たちだからこそ、優しくなれるし強くもなれる。”普通”なんて人はただのひとりもいないんだということを思い知らされた本。
Posted by ブクログ
“この世の誰もが「マイノリティ(少数派)」であり「マイノリティこそがマジョリティ(多数派)」であるとも言える”
という箇所になるほど!と思った。社会の多様性を受け入れながらも流されない生き方が出来たなら自分らしく生きれるのではないと思わされ、考えさせられる本だった。
Posted by ブクログ
心に傷を抱えた主人公が転職したのは、ちょっと変わった産婦人科医院。いや、ちょっとじゃないかも!?
でも、院長をはじめ、そのクリニックで働く人たちからは今までに感じたことがない優しさを感じる。
人は辛い経験を積んでいくたびに優しくなれると僕は思っている。他人の気持ちを本当の意味で分かることは出来ずとも、その人の心に寄り添ってあげることは出来る。
気の利いたアドバイスをもらうより「うん、分かるよ」「よく頑張ったね!」なんて自分を認めてもらえた方が心底嬉しいものだ。
ここに登場するクリニックのスタッフは、ゲイやレズビアン、バイセクシャルなどセクシャル・マイノリティーである。彼ら、彼女らは過去は本当の自分を隠して生きてきたが、今はここ〃オネエ産婦人科〃で自分らしく生きている。
そんなオネエ産婦人科の素敵な仲間たちと働くうちに、親とのトラウマから自分らしく生きることが出来なかった主人公の中で少しずつ変化が起きてきた。
人はたった一人で生まれてくる。
しかし、一人で生きていくことは出来なくはないが、親をはじめ色々な人と出会い、学びながら生きていくことで人生の彩りが豊かになってくるものだ。
スマホやネットが主流である時代の今、人とのコミュニケーションの取り方が苦手な人が増えている。得てして、大切なことをちゃんと言葉にして相手に伝えていないことが少しずつ人と人の間に溝を作っている。自分にとって大切な人ならば尚更だ。大切な人ならば、大切なことをちゃんと言葉にして伝えていこう。改めて、そんなことを感じた。
心の針に触れた一節
「愛は循環していくもの。誰かからもらった愛を、誰かに返す。その誰かがまた別の誰かにつなげていく。この世のすべてほつながっている。」
Posted by ブクログ
オネエ産婦人科は、LGBT等のマイノリティのスタッフが生き生きと働く産婦人科病院
ライトノベル感覚で軽く、明るく読めるのだが、意外と母子の問題が心にずっしりとくる
各家族と言われて久しいのだが、母親になる勉強は学校では教えてくれないし、頼れる自分の親は近くにいない にもかかわらず子供を産んで育てるのは女の本能、のように世間に言われても刷り込まれても期待されても困るわけだ
本能だけで良い母親になれればこんな苦労はない
おまけに母親が子供に与える影響は莫大なのだから始末に悪い
母親が何気なく言った一言が子供に与える影響は大きいが、親だって経験がある訳じゃない 母親一年生だったりする訳だから初めての子供についてはすべてが手探りだったりする訳だ
そんな親と子供のあり方をマイノリティ等の目を通してコミカルに描いた本書は、マイノリティについても親子関係についても考えるきっかけになる一冊
Posted by ブクログ
表紙はともかく、登場人物紹介や挿絵も入っててびっくりした。挿絵必要だった?
映像関係の人だからか、読みやすかった。
映画化、ドラマ化しても面白そう。
悩みや、トラブルもサクサク解決した気はするけど。