あらすじ
弱くていいのだ。ダメでいいのだ。ダメだから人に救われるし、救われたら人を救おうと思うのである。
こうしてダメがダメを救っていく。世の中を回しているのはお金じゃなくて「ダメさ」「弱さ」であっていいんじゃないか。
……寄稿 稲垣えみ子
「できない」ままで生きてもいい!
自分の欠点ではなく「世の中が押し付けてくるまともな生きかた」と戦う術。
親の年金でキャバクラに通い、そのたび落ち込んで引きこもっていた増田さん。
何をやっても自信が持てない、一応「健常」な施設スタッフ沼田君。
毎夕、意味不明なワン切りを必ずしてくるひーちゃん。
「足が腐った」とか「定期をトイレに流した」とか、まばゆいばかりの屁理屈で仕事をサボろうとするQさん……。
障害福祉NPO法人「スウィング」に集う、障害を持つ人・持たない人たちの「できないこと」にこだわらないエピソードと、心の栓を抜く、脱力しきった詩の数々。
誰かが決めた「まとも」を見つめ直し、ゆらしたりずらしたりすることで、それぞれの生きづらさを緩めるヒントとなる一冊。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
生きづらさを抱えている人に、お勧めの一冊。
「まとも」とは、簡単にいえば「常識」のこと。
常識を持っていることは、必ずしも悪いことではないし、持っていることで人間関係が保てることもある。
ただ、「常識」の中にも、「こうでなければならない」「こうしなければならない」という強制力が強くなりすぎて、「常識」に縛られることで、窮屈になってしまうものがある。
「常識」の範囲や強さは、常に一定に保たなくてはならないものではなく、
「常識」を持つ人が居心地よいように、柔軟にとらえてみたらいい。
器用ではない人は、この柔軟さをなかなか持てない。
だから、「常識」がゆれるような体験をしていくことが大事。
「まともがゆれる」ことで、たくさんの気づきがある。
そんな示唆を与えてくれる本でした。