あらすじ
働きやすく、生産的な組織を実現するための突破口は「管理を放棄する」こと
・上下関係のないフラットな組織構造(役職、上司・部下という関係がない)
・メンバーに対する徹底した情報公開(各自の給料の額も!)
・給料はみんなで話し合って決める
・社長と役員は選挙と話し合いで決める
・自由な働き方(働く場所、時間、休みは各自が決める。副業・兼業も自由)
「管理しない経営」を10年以上実践してきた会社「ダイヤモンドメディア」の創業者が、そのすべてを公開する。
メンバーそれぞれが話し合いながら、化学反応を起こし、会社を成長させてきたリアルが、今語られる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
管理しない方法で会社を運営していく試行錯誤の過程を知ることができる。管理しない会社の紹介本は何冊か読んでいるけれど、どの組織もやはり性善説が前提になっている。本書で印象に残ったのは、みんなで話し合って決めること。人数が増えると難しそうだけど、各々が自分事だと捉えて、より良くしていこうと努めれば、結果として組織は良い方向に向かうと思う。またすべての情報をオープンにするという点も良いと思う。給与や評価などの他に、各自が使える時間や各自の能力(成果)などもオープンになれば、結果として無理や無駄が減るのではないかと思う。
Posted by ブクログ
流行りだからやるのではなく、疑問に思ったことを突き進んだ結果、ホラクラシーになっていた。
疑問を実践していく行動力がすごい!
たくさん本を読んで勉強していることが感じられ、自然の摂理に習おうとして、自然農の本まで読んでるのがビックリしました。
著者の武井さんが考える行き着く先はコミュニティ。
社内も社外も関係なく、みんなで作っていく。
コミュニティにかける熱量や時間もまちまちな人たちで、それでもみんなで物事を進めていく。
最近私が考えていた、目指したいコミュニティ像で共感した。
武井さんほど論理的に考えられてないけど、私も行動していきたい。頑張ろう
Posted by ブクログ
客観的なデータが充実すると、 会議の時間は大幅に短縮される
それ以前、いくら話し合いを重ねても結論にたどりつけないのは、各自の価値観のズレが原因だと思っていた。
そこで価値観をすり合わせるための会議やワークショップを何度もやってみたのだが、 議論が長引くばかりで、一向に溝は埋まらなかった。
ところが、お金の出入りや労働時間をきちんと記録し、可視化して話をするようになると、会議の時間は一気に4分の1程度になった。
埋まらない溝の原因は、客観的な事実の不足した状態で各自が主観をぶつけ合うことによるコミュニケーション不全にあったのだ。
事実を徹底的にデータ化して可視化すると、その事実を報告するために開かれていた会識は不要になる。必然的に、会議は意見を出す場になるのだ。
しかも、データがあるから改善すべきことが見えるし、やってみるとその結果がデータに現れ、効果がわかる。
そうやって自然と改善が起きるようになり、会議の時間は笑ってしまうくらいに短くなるし、ディスカッションは楽しいものになった。
日常的なコミュニケーションを活性化するのには、次の3つが有効だと感じている。
1 ITを活用したコミュニケーション内容の可視化
2 雑談しやすい環境づくり
3 ブレイン・ストーミングで力関係の偏りをなくす
「意思決定」ではなく「共感」で組織が動く
組織図や役職がない、事業の売上・利益目標や予算は決めない、個人の目標管理もしないと言うと、「誰がどうやって意思決定するんですか?」と聞かれることが多い。
答えとしては、「意思決定という概念が薄い」というのが一番しっくりするような気がする。
「意思決定」という言葉からは「いつ誰が判断した」という議事録に残されているような情報をイメージする。すごく静的、固定的な感じだ。
僕らは、そういうある一時点を切り取ったような事柄に縛られることなく、流れの中で自然に進む方向が決まっていく。
権限を持った人が決めたことにみんなが従うのではなく、それぞれが自律的に判断して動いた結果がダイヤモンドメディアという会社全体の動きになる。
そこで大事なのが、第2章で触れた日常的なコミュニケーションによるプロセスの共有と、会社の情報の透明性だ。
それがベースにあるから、各自がやるべきことや自分にできることを嗅ぎ取って動くことができる。
それと、個人が自由に動いた結果、全体がおかしくならないために必要なのが、個人のエゴを排除することだ。
そのためにはみんなが「それは自分のエゴじゃないか? 全体のためになるのか?」と意識することも大切だけど、もっと大切なのはエゴが暴走しない環境を整えること。
つまり組織の中に権力構造を作らないことと、情報の透明性が不可欠だ。
例えば、僕が「お客さんをもっと増やすために営業を強化したい」とか「もっとこうやれば効率がいいのに」というようなことを言ったときに、「社長の言ったことだから」という忖度が働き、それが正しいかとか賛成できるかということに関係なくみんなが動き出してしまうような状況だと、歯止めが利かない。
そうではなく、誰が言ったこともひとつの意見として受け止められ、共感を多く集めた意見が残っていくのが健全なあり方だろう。
Posted by ブクログ
これからの時代のあるべき会社の姿なのかもしれない。コンプライアンス順守の時代や情報保護がより一層厳格になりつつある時代では、今の多くの会社は規則でがんじがらめにするしか手段をもたない。これでは全く自由がなく、ビジネスを行う上で自身に縛りをきかせているようなもの。本来であれば、個人の良識・常識でやってきたが、これまである意味ある程度均一な国民性であった日本でも、多様性のある人材が多くなっている。モチベーションや仕事会社への関わり合いの感度がことなる社員を、まとめあげるのは至難の業。多様性を受け入れつつ、どうやって行くか考えなけらばならないと思った。ダイヤモンドメディア社のやり方はすぐに真似はできないけど。
Posted by ブクログ
自分が所属する部門をティール組織にできるか関心があり読んでみた。
本を読むだけで、これならやれそう、とか、やっぱ無理だね、というのを想像するのは無理で、やっぱり自分でやってみないとよくわからない。
実践する人には良いガイドブックになりそう。
以下、メモ。
▼共感したこと
・フラット=仲良しではない
・多数決はリーダーシップを損なう
▼できそうなこと
・情報の非対称性をなくすため、給与と労働時間を公開すること。
非常識経営の夜明けのソニーや、ビュートゾルフも同じことをしているので、これは大事そう。
別にみんな公開に抵抗ないだろう。
でもそれによって本当に効果があるのか、と聞かれたら、その説明責任を果たせる気はしないが。
▼やらないこと
・給与を話し合いで決定すること。
これは大変そうだから所与でいいや、という感想
を持った。
▼違うこと
・著者は、コントロールを放棄し、自然経営をしたい。
・自分は、メンバーが部門に愛着を持てるように、意思決定に関われるようにしたい。
・自分は部門規模で考えているので、役員選挙などは関係ない。