あらすじ
8歳の息子を育てる、環境も年齢も違う3人の母親たち。些細なことがきっかけで、幸せだった生活が少しずつ崩れていく。無意識に子どもに向けてしまう苛立ちと暴力。普通の家庭の光と闇を描く、衝撃の物語。
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誰しもが思い当たるのではないか
続きが気になって一気読みだった。
子を持つ母ならば、同じ衝動を感じたことが誰しもあるのではないか。
「怒ってばかりでごめん」と寝顔にこっそひ声をかけたことは何度もある。
優の家族だけが救いがないように感じる終わり方だった。あすみはまた繰り返すのではないか。優の行く末が恐ろしく感じた。
Posted by ブクログ
続きが気になり、一気に読んでしまった。
虐待の報道をみていると、他人事じゃないと思うケースがある。紙一重なんだと思う事がある。そういう作品だった。
子どもは守らないといけない存在であると同時に、自分とは違う、思い通りにならない存在。簡単じゃないけど気をつけたいと思った。
Posted by ブクログ
読んでいてすごくつらくなった…特に、2人の子どもを育てる留美子の話。だって今、(一人だけど)息子を育てているから!ワンオペで!
あすみ・留美子・耀子、この3人の気持ちや黒い感情を、私もいつか抱いてしまうのではないかと怖くなった(私のパートナーはこの本に出てくるクソ男たちとは全く違うけど)。救いは、加奈が救われたことくらいだった。
最後の解説を読んで、さらに「この話は、実はすごく現実味を帯びているもので、日本の子育ての在り方や課題を表現していたんだ」と飲み込めた。
この本は再読できないな…
Posted by ブクログ
3組の家族、子育てに関する小説。
母親にフォーカスしているが、私は子供に感情移入する事が多かった。
1人目
父親の豊には手をあげるなと豊に手を上げ、子供にも手をあげる母親の留美子。
2人目
父親の太一の不倫を指摘した息子の優に逆ギレする父親と、それを全く気にしない母親のあすみ。
この息子優は、障害のあるクラスメートを唆し友人にイジメを行い、問題になるがなぜか問題から目を背け宗教にハマる母親。
3人目
シングルマザーの母親の加奈が、仕事で家を空けている間にカップラーメンを食べるためお湯を沸かしたがそれをお腹にこぼしてしまい母親に電話で助けを求める息子の勇。
仕事を終え急いで帰るとお腹に火傷を負った息子がいた。
そこで救急車や救急外来を頼る事をせず市販の薬を使い翌日に行った病院で医師に叱られ虐待を疑われる。
そらぞれ、歪んだ家族問題を抱えているように思う。
1人目の留美子はその後、離婚し自立して3人で仲良く暮らしている。
3人目の加奈は、自分の無知が虐待にあたる事を知り新聞で知識を獲はじめる。
しかし、2人目のあすみだけが全く問題解決に向かわず前世からの事だからしょうがないと2人目を妊娠した。
言葉はきついが、このあすみの家にだけは子供として生まれたくないと思った。
なぜ、2人目の家族だけ宙ぶらりんのまま終わったのか…
問題提起する事が目的なのかもしれないが私は少し消化不良だった。
Posted by ブクログ
どの家も夫がどうしようもない。
夫がもっとまともだったらなぁ、、、。
あすみの息子、あれは将来やばい奴になるだろ…
次に新聞に載るのはあすみ家じゃないかな…
Posted by ブクログ
同姓同名の三人の小学生ユウくんとその母親の行き着く先に心臓バクバクしながらページをめくる。まさに帯通りの「父であることの無責任さ」を体現したような夫たち、背筋が凍る優くんの言動、我が身に置き換えると絶句する恐ろしさ。どの母親にも自分が投影されてしんどかった。ポジティブに切り替えていく加奈の心構えが救い。
「あきらめたらそこで終わり。あきらめたところで、その子は死にます」という児童福祉司の相良さんの言葉は子育てそのものだな。物理的な死というより、その子という存在の死。心に刻まれる。
三人のユウくんの中では、シングルマザーである加奈の息子が精神面でも落ち着いて真っ直ぐ育っている印象。
両親が揃っていても、双方が注ぐ愛情が釣り合わないと子どもに悪影響なのかな。子どもに愛情を注げず誠実でいられない父親は、むしろいない方がいいんじゃないか…とさえ思ってしまった。
女性だけでなく、家庭は子育ては妻がちゃんと回してくれてるから大丈夫、なんて胡座をかいている男性たちにぜひ読んでいただきたいなぁ。子どもはちゃんと背中見てます。