あらすじ
男メンヘラ、恋路をゆく!無気力系男子・岳文が恋に落ちるのはいつも一瞬、そして全力――第160回芥川賞受賞作家がおくる、ピュアで無謀な恋愛小説!
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Posted by ブクログ
"メンヘラ"と母親から言われる、地に足のついていないふわふわ系主人公。
自意識は過剰だけど自我がない彼は、日記を書くことで自分の人生を創っている。思い出し、書き足し、細部を描写し・・・そうして、日記は自分よりも自分になる。
彼が実存を自覚できるのは、自分の身体性を思い出せるとき。だから感情や痛み、そういうものを与えてくれる誰かに依存したくなってしまうのかな。
彼に自分と似て非なる弟がいて良かった。ほんとに。
他者との境界をようやく覚えて、彼は初めて"やさしく"なれたのだ。
町屋さんの著作は初めて読みましたが、ハマりそうです。