【感想・ネタバレ】平成の経営のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年05月09日

平成時代の日本企業の経営の歴史をまとめた本。
素晴らしい。

マクロデータを使って、本質を描く伊丹先生の能力は、すごいものがある。一つのグラフが、本質を鮮やかに述べている、そんな分析の連続。舌を巻くしかない。
私には、特に6章の雇用関係の分析、7章の企業の財務政策の分析が役に立った。

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Posted by ブクログ 2019年07月08日

これはすごい。平成の経営というか、平成史である。度重なる困難を乗り越え、ここまで辿りついた日本という国、その源泉は人だ。企業も国も、日本人の絆が支えている。最近富に海外の観光客が目につく。日本の美しい景観もそうだけど、人の温かさが、心地よいのでは、と思う。締めくくりにあるように、さらに日本が元気にな...続きを読むるような、不均衡を打ち破る偉大な一手がほしい、そんな躍動感、のある令和時代とし、子供達につなげたい。そんな思いにさせられる一冊でした。

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Posted by ブクログ 2019年04月01日

【自力で地力を】バブル崩壊やリーマンショック、さらには東日本大震災など、様々な困難に直面した日本の経済。特に企業活動と経営に焦点を当てながら、約30年の動向をつぶさに記録した作品です。著者は、『人本主義企業』などの作品で知られる伊丹敬之。

少し教科書的と言えなくもありませんが、豊富なデータを基とし...続きを読むて語られる平成の日本企業の在り方に、多くの意外な側面を見る気がしました。経営面から見た平成史という側面からも、そして日本の経営に関する通年史という側面からもオススメできる一冊です。

〜多様なパターン、多様な資本主義や市場経済のかたちがある方が、世界全体の多様性と長期的維持可能性のためには貢献するだろう。日本が平成時代の二つの強烈な疾風にもかかわらず、あるいはそれだからこそ、意識・無意識に守ってきた「変わらぬ基盤」は、案外そういう世界史的意味をもつこととなったと、後世の歴史家に評価されるような日本になりたいものである。〜

トヨタと日産の比較が面白かったです☆5つ

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Posted by ブクログ 2019年04月16日

経営学者の大御所による、経営の平成史。著者の他の本でも色濃く表れる日本経済肯定が、本書でも噴出している。ただ、印象で論じるのではなく、データに基づいているから、科学的な検証だとも言える。学者だけに現場経験からものを言うことはできないが、さまざまな経済指標を使って全体を見渡す視野の広さは圧巻だ。著者は...続きを読むアメリカの経済事情に深く通じているようで、アメリカ型経営と対照をなすように、日本型経営を浮き彫りにしている。主として経済や経営のデータから論を起こし、現場の声や感情が加味される部分は少ない。また、ビジネスの歴史から教訓を引き出す一方で、ビジネスの最前線の動きは関与していないので、日本経済の現状を承認はできても、実務の革新的な動きを取り上げてはいない。強いて言えば、現状追認の励ましではあっても、ビジネスの現場で生き抜く術は本書から得られないだろう。つまりは、これは歴史認識であり、自分も含めて、ビジネスの動きをどの領域に位置づけるかという、見取り図を提供してくれるのが本書である。

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Posted by ブクログ 2020年05月27日

平成の経営を振り返り、企業経営がどう変わったのかを明らかにする。

平成の30年間における日本経済と日本企業の動きを、10年ごとに分けて概観すると、次の通り。
・1989-1998年:
大蔵省と日銀による金融引き締めと不動産融資規制をきっかけに、バブルが弾け、金融崩壊に至る。
・1999-2008年...続きを読む
2003年から輸出が伸び、企業の業績は好転するが、08年のリーマンショックで再びどん底に陥る。
・2009-2018年:
12年以降の円安進行、アベノミクス、原油価格の下落などにより、輸出を中心に経済は回復する。

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平成の時代は、冷戦構造の終結、中国の開放政策、新興国の成長の加速など、国際秩序に大きな変化があった。これらの動きが、企業活動のグローバリゼーションの時代を導いた。

近年、日本企業の世界的プレゼンスは低下している。
最大の原因は、中国の経済成長と日本経済の低成長だが、為替変動も要因の1つ。
平成の30 年間で160~75円と激しく揺れ動いたことが、海外生産の投資決定を難しくしたと思われる。

1980年代、日本企業の海外活動は40%以上をアメリカに依存していた。
しかし90年代半ばから、急成長する中国へ比重を移し、2009年には米中の現地法人の売上が同額になった。

平成の時代、ITとインターネット技術が進化したが、その競争に日本は敗れた。敗因は、ソフト人材供給量の少なさ。
例えば、2015年のIT分野の学士・修士卒業生の数を日米で比較すると、学士で6倍、修士で10倍ほどアメリカの方が多い。

金融崩壊後の日本企業は、リスクに対して慎重になった。銀行が当てにならないことが分かったため、いざという時に備え自己資本比率を高めると同時に、設備投資を増やさず、リスクを取らないようにしている。

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