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Posted by ブクログ
「それ注釈じゃなく本文に書いた方がよくない!?」とたびたびツッコミながら読んでいましたが、「おわりに」がとても良かったので掌を返しました。
「これは入り口のひとつなので、違う視点の本も読んでみてね!」的なことが結びとして書いてあるのとても良いです。
意見が合う。
語り手の主観が入る、という話、一般会話でもそうよね。
以下引用。
p.341「私たちの脳は(おそらく)複雑なものを複雑なまま理解できません。だから歴史上の出来事のうち目につくものを拾い上げて、単純な因果関係を当てはめて理解しようとしてしまいます。
膨大な史料のなかで、どれを採用するのか。数百年前の日記や手紙の言葉を、どのように解釈して紹介するのかーー。
歴史の本を書くという作業は、そういう取捨選択の連続です。歴史を物語るという行為には、必ず、語り手の意図が紛れ込みます。」
p.342「だからこそ読者のあなたには、色々な本を手にとっていただきたい。(中略)
そうすれば、私が何を書いていない(いない、に傍点)のかが判るでしょう。歴史を多面的に理解し、あなた独自の解釈を深めることができるはずです。
逆に、似たような思想の著者の本ばかり読むのは危険です。(中略)
本当の歴史はそんなに単純なものではありません。(中略)
同じ出来事でも、立場が違えばストーリーも変わります。
だからこそ、色々な切り口を知ることが大切なのです。」