【感想・ネタバレ】会計が動かす世界の歴史 なぜ「文字」より先に「簿記」が生まれたのかのレビュー

あらすじ

“お金”とは何か。

私たちの財布に入っているお金には、100円、1000円、10000円などの価値がつけられています。
しかしよく考えてみると、ただの金属、紙切れにすぎないものをなぜ高価だと「信じている」のでしょうか。

貨幣や紙幣に込められた絶大な影響力――。
その謎を解く手がかりは、人類と会計の歴史のなかにあります。

先人たちの歩みを「損得」という視点で紐解きながら、「マネーの本質を知る旅」に出かけましょう。

くらしの経済メディアMONEY PLUSの大人気連載「簿記の歴史物語」待望の書籍化!!


【第1章】 偉人とお金の意外な関係
シャーロック・ホームズの“金銭感覚”/投資家として大成功したダーウィンの“目利き” ほか
【第2章】 なぜ「文字」よりも先に「簿記」が生まれたのか?
最初の簿記はメソポタミアの「駒」/ヨーロッパで起きた数字のイノベーション ほか
【第3章】 一国の運命をも翻弄する会計の力
球根1個で家が建つ!? オランダのチューリップ・バブル/フランス革命の引き金となる1冊の暴露本『国王への会計報告』 ほか
【第4章】 産業革命。そして、簿記から会計へ
産業革命は、なぜイギリスだったのか?/鉄道が生んだ公認会計士 ほか
【第5章】 これからの「おカネ」の話をしよう
財務省が消費税を上げたがるワケ/ビットコインが問いかけるマネーの本質 ほか

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Posted by ブクログ

ネタバレ

簿記の誕生~現在までの歴史がわかりやすく書かれている本。

簿記は、文字が無い時代に羊の交換とかする際にも使われていた。という話で、公平・公正って人間が本来持ってる感覚なんだなと感じた。

11世紀ごろのイタリアではこれまで法的文書の証明を担っていた国王たちの力が弱まり、自治都市が林立→商業がますます盛んになり、契約書を結ぶ機会増加→公証人が人気職にといった流れだった。

過去を見ると、物事がそうなっている理由がわかって面白い。

技術革新が早すぎる現代にも言及していて、このスピードには限界があると書いてあった。
理由は、機械との競争に敗れる人が増えたらその人達の消費能力が減り、企業は売上を伸ばせなくなるからだと。

この論にはあまり納得がいかない。
技術革新を使って、機械との競争に関係ない人向けにサービスを創ったら利用されるから、売上は伸びるんじゃないかな?と思った。

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2025年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「それ注釈じゃなく本文に書いた方がよくない!?」とたびたびツッコミながら読んでいましたが、「おわりに」がとても良かったので掌を返しました。

「これは入り口のひとつなので、違う視点の本も読んでみてね!」的なことが結びとして書いてあるのとても良いです。
意見が合う。

語り手の主観が入る、という話、一般会話でもそうよね。




以下引用。

p.341「私たちの脳は(おそらく)複雑なものを複雑なまま理解できません。だから歴史上の出来事のうち目につくものを拾い上げて、単純な因果関係を当てはめて理解しようとしてしまいます。

膨大な史料のなかで、どれを採用するのか。数百年前の日記や手紙の言葉を、どのように解釈して紹介するのかーー。

歴史の本を書くという作業は、そういう取捨選択の連続です。歴史を物語るという行為には、必ず、語り手の意図が紛れ込みます。」



p.342「だからこそ読者のあなたには、色々な本を手にとっていただきたい。(中略)

そうすれば、私が何を書いていない(いない、に傍点)のかが判るでしょう。歴史を多面的に理解し、あなた独自の解釈を深めることができるはずです。


逆に、似たような思想の著者の本ばかり読むのは危険です。(中略)

本当の歴史はそんなに単純なものではありません。(中略)
同じ出来事でも、立場が違えばストーリーも変わります。

だからこそ、色々な切り口を知ることが大切なのです。」

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2022年11月20日

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