あらすじ
◎それは奇跡か、それとも病か?◎
かつて大学で脳を研究し、科学ジャーナリストとなった著者。
彼女の趣味は「人とは違う脳」を持った人々について書かれた医学論文を収集し、読み漁ること。
だが、論文を読むだけでは、患者の人となりは全く見えてこない。
ある日、十年間集め続けた論文の山の前で彼女は思った。「世界中で普通の人々に奇妙な事が起こっている。彼らはどんな生活をしているのだろう?」――それが、「奇妙な脳」の持ち主たちを巡る旅の始まりだった。
【目次】
序 章 「奇妙な脳」を探す旅へ出よう
第1章 完璧な記憶を操る
第2章 脳内地図の喪失
第3章 オーラが見える男
第4章 何が性格を決めるのか?
第5章 脳内iPodが止まらない
第6章 狼化妄想症という病
第7章 この記憶も身体も私じゃない
第8章 ある日、自分がゾンビになったら
第9章 人の痛みを肌で感じる
終 章 ジャンピング・フレンチマンを求めて
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Posted by ブクログ
・数字に色が見える人。色と感情がリングしてる人
共感覚
関連する脳領域が同時に覚醒する
・すべてを記憶してる人
記憶を保存する能力は一般人と同じだが、記憶を探し出すのが上手い。
嫌な記憶を鮮明に覚えているため、具体的に反省ができる。
・共感性羞恥
他人の動きを見るだけで、あたかも自分がやっているときと同じように活動するミラーニューロンがより活性化されている。本来は感覚神経がミラーニューロンの活動を抑制するが、抑制できないと共感性が高まる。
Posted by ブクログ
特別な脳による特別な症状を持つ人々について報告した本です。論文のような味気ない感じではなく、それぞれの所へ訪れる際の描写や、それぞれの人の生活や内観などを聞き出しており、物語のようになっています。オリバーサックスの本のような作りです。いくつかは聞いたことがある話でしたが、発達性の脳内地図の喪失、トラに変身したと思い込む狼化妄想症、ミラーニューロンの抑制が不十分で他者の痛みを強く体で感じる例は、初めて聞いて興味深かった。脳がいろんなバランスの上に成り立っていて、特殊に見える例が多くあること、みんな自分の世界を当然と思っているけど、人それぞれで感じている世界が違う可能性があることが、よくわかった。
Posted by ブクログ
9つの脳の不思議な物語
【目次】
■序 章 「奇妙な脳」を探す旅へ出よう
大学で脳を研究していた私は、卒業後にある衝撃的な論文と出会う。この世にはどんな命令にも必ず従ってしまう“ジャンパー”と呼ばれる人々がいるというのだ。彼らの脳では一体何が起きているのか。それがこの旅の始まりだった。
■第1章 完璧な記憶を操る
──過去を一日も忘れない“完全記憶者”ボブ
これまでの人生の全ての日を覚えている。ごくまれに、そんな記憶力を持つ人々がいる。その秘密を探るべく、私はボブを訪ねた。彼に最も古い記憶を尋ねると、なんと生後九ヶ月の時の記憶があると言う。そんなことはありえるのか。
■第2章 脳内地図の喪失
──自宅で道に迷う“究極の方向音痴”シャロン
方向感覚は脳が生み出す最も高度な能力の一つだ。では、それを失うと人はどうなるのか。それを教えてくれるのがシャロンだ。彼女は自宅のトイレからキッチンへ行こうとして迷子になる。脳内ではどんなエラーが起きているのか。
■第3章 オーラが見える男
──鮮やかな色彩を知る“色盲の共感覚者”ルーベン
特定の数字に色を見たり、特定の音で味を感じる。こうした共感覚は四%の人に備わっているとされる。中には特殊なものもあり、ルーベンは出会う人の多くにカラフルなオーラが見えるという。だが不思議なことに、彼は色盲なのだ。
■第4章 何が性格を決めるのか?
──一夜で人格が入れ替わった“元詐欺師の聖人”トミー
「ドラッグ、窃盗、けんか。全部やったよ」と過去を振り返るトミーは、ある夜を境に虫も殺せない穏やかな性格へと激変し、家族を戸惑わせた。人の性格は脳が決める。その鍵は左脳と右脳ではなく、上脳と下脳のバランスにあった。
■第5章 脳内iPodが止まらない
──“幻聴を聞く絶対音感保持者”シルビア
幻覚は精神疾患の症状だとされることが多いが、実は誰しもピンポン玉とヘッドフォンを使えば幻覚を体験できる。なぜ脳は幻覚を生み出すのか。絶え間ない幻聴に悩まされているシルビアの脳をスキャンすると、答えが見えてきた。
■第6章 狼化妄想症という病
──発作と戦う“トラに変身する男”マター
自分が動物に変身したと思い込む狼化妄想症。非常に珍しいその患者、マターに会うため、私はUAEへ飛んだ。医師立ち会いのもとインタビューを始めるも、彼の様子が急変。低いうなり声をあげ、「全員を襲いたい」と言い出した。
■第7章 この記憶も身体も私じゃない
──孤独を生きる“離人症のママ”ルイーズ
身体から抜け出たように感じ全ての現実感を失う。一時的にそうした離人症状を経験する人は多いが、ルイーズは何十年もその感覚の中で生きている。彼女の脳の謎を解くには、意外にも「人工心臓を入れた男」の研究がヒントになる。
■第8章 ある日、自分がゾンビになったら
──“三年間の「死」から生還した中年”グラハム
「私は死んでいる」ある出来事を機に脳がなくなったと感じたグラハムは、そう訴えて周囲を当惑させた。彼を検査した医師らには衝撃が走る。起きて生活をしているのに、脳の活動が著しく低下し、ほとんど昏睡状態にあったのだ。
■第9章 人の痛みを肌で感じる
──“他者の触覚とシンクロする医師”ジョエル
他人が経験した触覚や感情を、自分の身体でも感じてしまう。そんなSFのような人々が実在する。医師として働くジョエルも、目の前の患者の痛みを身体で感じながら治療に当たる。なぜ彼の脳は他者と自分を区別できないのか。
■終 章 ジャンピング・フレンチマンを求めて
この旅の始まりとなった不思議な人々“ジャンパー”は全員亡くなったものと考えられ
ていた。しかし、私は友人から届いた動画に、まさしく“ジャンパー”が映っていることに驚く。ノルウェイで会社員として働く彼に会いにいった。
脳に起因する障害を持つ人々に直接会って話を聞きながら、その障害の原因や脳の機能を解説している本です。
文章のせいかもしれませんが、各章の主人公である人たちの人となりがあまり生々しく迫って来ません。
あくまでも医者が患者を観察しているような感じで、その人のキャラクターなり信条なり生き様がうまく描けていないので、こういった手法で話を進めるよりも、脳科学の側面からの解説の方が分かり易かったかなと思います。
そうは言っても、著者のアクティブな行動力はたいしたものだなという感想は持ちました。
作家と組んで本を作ったりする方がより良い作品に仕上がる可能性を感じました。
竹蔵