あらすじ
詩の創作作法を論じて後世のヨーロッパ文学、文芸理論に大きな影響を与えたアリストテレース『詩学』とホラーティウス『詩論』を併収。
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Posted by ブクログ
アリストテレスは、有権者であり弁論にも通じたアテネ市民に向けて劇を秩序あるものにしたかったのだと思う。観客にわかりやすい筋立ての劇であれば、人々はその内容に感化される。優れた劇を作れば、観客はより一層の感動を得られる。政治や道徳を教える場として劇は最適だった。そして劇はまた、権力を批判する世論形成の手段でもあった。だからこそアリストテレスは、細かく条件を定め、このように劇を作るべきだと説いたのだと思う。ホラーティウスはどちらかというと職人気質で芸術的な自由より完成度の高い作品を作るようにという潔癖さを感じた。
Posted by ブクログ
古代ローマ時代の詩人ホラティウスと哲学者アリストテレスの語る文学理論。
「詩人が狙うのは、役に立つか、喜ばせるか、あるいは人生の楽しみにもなれば益にもなるものを語るか、のいずれかである」
「どのような忠告を与えるのであれ、簡潔でなければならない。すみやかに語られる言葉は、心がすなおに受け入れ忠実に守るだろう。余分なものはなんであれ、いっぱいになった心の中に入らず、そこから流れ出す」
「あまりに用心深く嵐を恐れる者は地面を這うほかない」
などなどありがたいお言葉にたくさん出会えます。
内容の批判をするためにはこの時代の悲劇やら喜劇を勉強しないと。