【感想・ネタバレ】舞姫・うたかたの記 他三篇のレビュー

あらすじ

日本人留学生とドイツの一少女との悲恋を描いた『舞姫』、他に『うたかたの記』『文づかひ』と名訳『ふた夜』、いずれも異国的な背景と典雅な文章の間に哀切な詩情を湛える。加えて鴎外作品の初期から中期への展開を示す『そめちがへ』を収め、難読語には、できるかぎり振仮名を付して読者の便に供した。 (解説 稲垣達郎)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

この本を読んで、自分の人生を重ね合わせてしまった。

森鴎外の舞姫。なんとなく前から読んでみたいと思っていてようやく読むことができた。
原文が文語体で、かつ場所は異国の事について書かれており、
あまり理解することができなかったのだが、
ウェブに出ている現代語訳を読んでみると、なるほど、すばらしいと感じた。

主人公はいわゆる天才であり、幼いころから学問には非凡な才能を持っていた。
でもそれが本当に彼を幸福にしていたかというと、そうではなかったようだ。
運よく、洋行という機会を手に入れて彼は自分の人生を変える出来事に出合った。

愛を取るか、地位・名誉を取るか、これは昔からの難題だ。
どんなに人生が充実していて、名誉もお金もあったとしても愛する人と暮らし、
毎日が充実した生活がない人生というのは、僕にとっては人生ではないと思う。
彼の場合何度も葛藤を続ける中で、でも彼自身が自分の過去と
決別できないがために、最愛の人を失うことになった。

自分の中の欲望があり、それに逆らって生きようとすると必ずどこかで破たんする。
彼の場合本当は、地位や名誉など必要でないとわかっていながら、
それを断ち切ることはできなかった。
頭では愛するエリスを捨てることができないとわかっているのに、
大臣からの言葉にnonという事ができなかった。

僕にも当てはまらないだろうか?
僕は昔は勉強第一で"本当に"好きな女性に全く声をかけようとしなかった。
いい大学に入りたいという目標と、でも二度と戻ってこない
高校の恋愛生活の重要性を直視せずに、恋愛を否定してしまった。
そこで経験したことは、自分に正直でなかったら、
人生は意味のないものだなと。
本当はすごくすごく好きな女性なのに、
彼女から離れようとしてそして自分を傷つけていった。

恋愛という視点で自分を振り返ってみると、
僕は確実に否定を繰り返してしまっていた。
この本を読んで、自分の過去の恋愛を振り返ることになるとは夢にも思わなかった。
自分に正直になるという事は大切だ。

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2013年07月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

国語の授業で舞姫を初めて読んだときには、豊太郎は何てひどい男なのだろうくらいにしか思いませんでした。

それから数年経って読みかえしてみたら、豊太郎の苦悩や弱さが他人事とは思えなくて、はたしてどれだけの人が彼を責められるだろうかと考えてしまいました。

120年以上前のベルリンが舞台の小説ですが、彼の「エリスとの愛」と「栄達を求める心」との間の葛藤は、現代にも通じる部分が多くあると思います。

 うたかたの記・文づかひ・ふた夜といった他の収録作品も、舞姫同様に浪漫味あふれる素敵な作品です。文体のせいで敷居が高く感じるかもしれませんが、ぜひ手にとって読んでみてください。

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2012年08月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「舞姫」
「うたかたの記」
「文づかひ」
「ふた夜」
以上は,いずれもドイツでの恋愛関係のお話。
「そめちがへ」
これだけ,明治初期?の頃のお話。

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2014年08月31日

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