【感想・ネタバレ】卍(まんじ)のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

昼ドラのように人間関係がめちゃくちゃドロドロしていて抜群におもしろい。唯一マトモそうに見えた柿内幸太郎すら、なんと最終的には徳光光子と関係をもつに至る。とにかく、登場人物の誰ひとりとしてマトモな者はおらず、全員が異常者である。しかし、本作の真に恐ろしい部分は、その登場人物が展開する愛憎劇それ自体ではなく、果たしていったいなにが真相であるのかよくわからないところである。ラスト・シーンで園子の独白によって明かされるところによれば、園子と幸太郎と光子は3人で心中を試み、園子だけが生き延びたという。しかし、そこに至るまでの過程において、まるでオセロのように、セクションごとに展開が一転また一転とすぐに変わってしまう。ある人物がなにかを主張すれば、そのすぐあとにいやアレはウソだと言われる。頭の中がこんがらがってしまうが、とにかくそのような状況なので、どうして最後だけ書いてあることをそのまま鵜吞みにすることができようか。「たまたま」ひとりになったから物語が終わるのであって、もし3人とも生き延びていたら、やはりつぎのセクションでまたどんでん返しがあるのではないだろうか。そうなるとコレはもう終わりのない迷路のようなもので、じつは谷崎が伝えたかったことは、このような関係こそが男女の本質だということなのではないか。

0
2018年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

よい、だいぶおもしろい。
もっと具体的にエロエロしてるかと思いきや、そういった描写はなく、どろどろと痴情のもつれみたいな話。んでもって同性愛からの夫に飛び火でとんでもない話だ。
こんなんでもおもしろくて文学してるんだから谷崎はすげぇなぁ。

0
2012年06月06日

「小説」ランキング