【感想・ネタバレ】中世史講義 ──院政期から戦国時代までのレビュー

あらすじ

いま、中世史に新たな光が当てられている。東アジアのなかで日本列島を捉えなおす視点の導入や、文献史料以外の多様な史料も視野に入れた研究の進展などがその一例である。戦国期以外の中世への一般の関心も高まっている。そこで、最新の調査・研究の成果や動向を一般読者にわかりやすく伝えるべく、先端研究者の知見を結集。時代の推移に沿った構成をとりつつも、平板な歴史叙述ではなく、政治・経済・外交・社会・文化など15の重要ポイントを押さえる形で中世史を俯瞰する。

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Posted by ブクログ

事前情報に乏しく、中世史の通史を掴めるものだと思って読み始めたが実際は中世史の各トピックに関する概要と深堀の中間のようなもの。
各トピックの文章量は取っ付きやすいものだが、内容は初学者からするとなかなか濃いように思う。いくつか難しい記載もあったが、どれも教科書では知り得ないものばかりで非常に興味深く読むことができた。やはり中世史は複雑ながらも川のように流れる人間味のある面白い時代。
第15講で五味さんによる通史解説があるため、中世史の概観を知りたい人は先に読むのがおすすめだが、先に別で通史を把握しておく方が良い気がする。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

中世史の概観を掴むのに良い新書。
院政、日宋貿易、武家政権など各分野の専門家が一章ずつを担当し、要点を説明している。また、章末に推薦図書の記載もあり、次に読むと良い本についてもわかりやすい。
ただ、内容が学問的で、推薦書も論文集などが多いことから、少し上級者向けな印象を受ける。
新書から読み始める初学者向けに、より大衆向けの本をお薦めしてくれると良いなと思いつつ、全体感や読書を進めたい領域を知るにあたって良い本だと思う。

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2023年07月02日

Posted by ブクログ

とっつき辛かった日本中世史
日本史の中世の時代というと、皆さんは何が浮かぶでしょうか。
私は、武士、鎌倉幕府、守護地頭、鎌倉仏教、勘合符、蒙古襲来……。こんな感じでしょうか。
学生時代の日本史の授業では、源頼朝が鎌倉幕府を開いて(当時は大体このあたりからが中世)北条氏が実権を握り、蒙古が攻めてきて神風が吹き、守護地頭(このあたりでごちゃごちゃになる)が○△□◇…。テストで単語埋めるのがやっとでした。

何が分かり辛いかって、平安時代まで政治を行っていたのは朝廷だったのに対して鎌倉時代以降、つまり中世は武士が台頭して政治の実権を握り、統治の機構が複雑になったことです。
荘園制などの土地制度についても、もともとあまり得意じゃなかったところに、武士による統治が被さってきて、ごちゃごちゃになってしまったのですね。

学校で習う日本史のテストは基本的に単語や年表の暗記が中心だったので、覚えるべき単語がぐっと増えるのと、統治の制度が複雑化してきてボーっと授業を聞くだけでは私の頭では理解しづらくなってきたあたり、それが中世のあたりだったのです。
そういうことがあり、守護地頭、在地領主なんて言葉が並ぶと、「あー!訳わからんわー!」となってしまっていたのでした。

点から面へ誘った『中世史講義』
そんな私の中世史に対する認識ですが、その他は、大河ドラマのイメージというか記憶ですかね。「太平記」の高師直を演じていた柄本明さんや北条時頼を演じていた渡辺謙さん、北条時宗を演じていた和泉元彌さんが浮かびます。はい、それだけです。

武士、鎌倉幕府、守護地頭、鎌倉仏教、勘合符、蒙古襲来、柄本明、渡辺謙、和泉元彌。中世史で浮かぶものを挙げよと言われたらそれくらいしか浮かびません。

単語(点)でしか認識出来なかった程度だったのです。
そんな私がもう少し広いイメージ(面)が出来るようになりました。
カバーに書かれている、

「平坦な歴史叙述ではなく、政治・経済・外交・社会・文化など十五の重要ポイントを押さえる形で中世史を俯瞰する。」

の通り、様々な角度から掘り下げられていたので、全て何でも分かるようになったわけではないけれど、たとえば「鎌倉幕府」という単語だったら、鎌倉幕府がどんな流れで支配地域を広げていったかとか、「勘合符」だったら、室町幕府は具体的に明とどのように貿易をしたのかなどが、なんとなく見えたような気がします。

全体的には私の頭のレベルにはちょっと難しい本だったと思います。
でも、単語だけの認識しか出来なかった状態から、掘り下げてイメージ出来るようになっただけでも、本書を読んだ大きな収穫だったと思いました。

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2019年07月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
はじめに
第1章  中世史総論
第2章  院政期の政治と社会
第3章  日宋・日元貿易の展開
第4章  武家政権の展開
第5章  鎌倉仏教と蒙古襲来
第6章  荘園村落と武士
第7章  朝廷の政治と文化
第8章  南北朝動乱期の社会
第9章  室町文化と宗教
第10章  中世経済を俯瞰する
第11章  室町幕府と明・朝鮮
第12章  室町将軍と天皇・上皇
第13章  戦国の動乱と一揆
第14章  戦国大名の徳政
第15章  中世から近世へ

<内容>
特に日本史中世史が今一番見直すべきところらしい。武士の起こりや発展、寄進地形荘園の展開、室町幕府の実態など、示唆されるところが多かった。 

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2019年01月31日

Posted by ブクログ

歴史が苦手な人には読む順番に工夫が必要かも。
第15講を読んでからの方が歴史の流れがある程度頭に入って来た上で読めるためオススメ!

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2020年05月14日

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