【感想・ネタバレ】ふったらどしゃぶり~When it rains, it pours~ 完全版のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年09月26日

出会う前と出会ってからでは様々なことが変わってしまって、出会う前には戻れない、という読書体験が稀にある。この本はそういうお話。
旧版も、手に入る分だけ読んだその後の同人誌もほんとうに好きすぎて、改めて読める喜びで胸がいっぱい。
細かなエピソードがちょこちょこ(性欲の強い彼女、整が睫毛を全部抜いた、彩...続きを読む子さんの強烈すぎるパンチセリフ)あたりがカットされたパートですね。
視力検査のくだり、この発想とアイデアはどこから来るの? 本当に面白いな。
一顕の焦燥はより一層生々しく、整の危うさはより一層と鮮烈に深く鋭くこちらに迫るよう。
「欲すること」を取り上げられ、自分の生き方はおかしいのか? と蝕まれながら互いに向き合っていく二人のジェットコースターのような渦に飲み込まれていく関係はスリリングで生々しく、ひどくハラハラさせられながらどうしようもなく胸が痛い。
こんな恋愛小説がほかにあるだろうか。
セックスで結ばれた二人が恋をして、何度も繰り返しセックスで絆をつなぎ合う「それから」を知ると、後戻りできない関係に至るまでを読み返すとその鮮烈さと大胆さと息苦しさの衝撃に改めてびっくりする。
やっぱり旧版で読んだ時と同じく、和章にかける整の言葉のくだりですごく泣いてしまった。
和章とおなじようにここで受け取った言葉や想いはずっと忘れないのだと思う。
一顕の恋人に直してもらった足の爪がモチーフとなっているのが印象深いですね。後書きでの躊躇いながら爪を切る場面がほんとうに切ない。
「肉親との別れ」、「親との死別」も一穂作品では繰り返し描かれている大切なピースですね。

書き下ろしはどしゃぶりとびしょぬれのあいだのふたりのどうしようもないぎこちなさと、話をするために選んだ選択が愛おしい。
なんでこんなシチュエーションが思いつくのかな。一穂さんの作家性の特異さを感じます。
これからもきっと幾度となく繰り返し読むのだろうと思います。
体で結ばれあった後に恋をして、そこから先はいつか、心と心だけで愛し合えたらと安らかに夢を見るカード特典のお話にいちばんグッと来てしんみりしてしまった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年11月26日

イエスノー関連を一応読破したので、今度はこちらを。

一言、せつない…。それでもタイトルのような湿っぽさはない、大人の恋愛もの。サラリーマンだけど、お仕事話はそれほどでもなくて、2人の感情が行き来する。

最初の半井さんの印象、私的にも良くないですよ。でも、その後の不安定さと、哀しさ、想いの強さ、み...続きを読むたいなものがゆらゆらと背後に流れていて、読んでいて、こちらも気が気じゃなくなってしまう。
そして、荻原くん。優しいひとだなぁ。彼の苦しさも、ズシズシくる。セックスに対するすれ違い。
かおりの気持ちも、わからんでもない。ずるいよね。
和章は、ダメでしょ。彼が一番理解できなかった。。ナイトガーデン読めば印象変わるかしら。

まぁ、BLなので、荻原くんが耐えきれなくなって、半井さんと結ばれるところ、いきなりそうくる?感は否めなかったけれど、でも、ほんと切ないし、苦しかった。そして、そこがすごく好き。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月20日

一穂ミチのBLを久々に読んだ。ふったらどしゃぶり、これはかなりの良作である。浮気は罪だ、という人もこれは読んでほしい。登場人物がどれほどの思いで浮気に走ったのかを。ただの体だけの関係ではない。「俺、半井さんとセックスしたいです。」「うん、いいよ。」切り取ってみると陳腐にも思えるが、どれほどの過程を経...続きを読むてそこまで辿り着いたのかと思うと、胸を打たれる。個人的には、「この身体がいらないなんて、ぜいたくなやつがいるんだなぁ、ってさ」がベスト台詞。おすすめの1冊。

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ネタバレ購入済み

とてもおもしろかった

2020年04月17日

ふたりの心情がリアルで、切なくてもどかしくて…運命的に結ばれたふたりだけど、ストーリーがゆっくり展開していくので無理なくスムーズに落とし込めました。なかなか見ないストーリーではあるけど、現実的でリアルな感覚が味わえてとてもよかった。

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