あらすじ
同棲中の恋人とのセックスレスに悩む一顕。一顕の会社の同期で、同居中の幼馴染み・和章に叶わぬ恋心を抱く整。ある日一顕が自身に送ったつもりのメールが手違いで整に届く。そこから、互いの正体を知らぬまま悩みを打ち明け合う奇妙な交流が始まった。好きだから抱き合いたい、抱いてほしい――共有した秘密はやがて心の容量を超えてあふれ出し……? 報われない愛と性に翻弄されるふたりの究極の恋愛小説復活!!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
出会う前と出会ってからでは様々なことが変わってしまって、出会う前には戻れない、という読書体験が稀にある。この本はそういうお話。
旧版も、手に入る分だけ読んだその後の同人誌もほんとうに好きすぎて、改めて読める喜びで胸がいっぱい。
細かなエピソードがちょこちょこ(性欲の強い彼女、整が睫毛を全部抜いた、彩子さんの強烈すぎるパンチセリフ)あたりがカットされたパートですね。
視力検査のくだり、この発想とアイデアはどこから来るの? 本当に面白いな。
一顕の焦燥はより一層生々しく、整の危うさはより一層と鮮烈に深く鋭くこちらに迫るよう。
「欲すること」を取り上げられ、自分の生き方はおかしいのか? と蝕まれながら互いに向き合っていく二人のジェットコースターのような渦に飲み込まれていく関係はスリリングで生々しく、ひどくハラハラさせられながらどうしようもなく胸が痛い。
こんな恋愛小説がほかにあるだろうか。
セックスで結ばれた二人が恋をして、何度も繰り返しセックスで絆をつなぎ合う「それから」を知ると、後戻りできない関係に至るまでを読み返すとその鮮烈さと大胆さと息苦しさの衝撃に改めてびっくりする。
やっぱり旧版で読んだ時と同じく、和章にかける整の言葉のくだりですごく泣いてしまった。
和章とおなじようにここで受け取った言葉や想いはずっと忘れないのだと思う。
一顕の恋人に直してもらった足の爪がモチーフとなっているのが印象深いですね。後書きでの躊躇いながら爪を切る場面がほんとうに切ない。
「肉親との別れ」、「親との死別」も一穂作品では繰り返し描かれている大切なピースですね。
書き下ろしはどしゃぶりとびしょぬれのあいだのふたりのどうしようもないぎこちなさと、話をするために選んだ選択が愛おしい。
なんでこんなシチュエーションが思いつくのかな。一穂さんの作家性の特異さを感じます。
これからもきっと幾度となく繰り返し読むのだろうと思います。
体で結ばれあった後に恋をして、そこから先はいつか、心と心だけで愛し合えたらと安らかに夢を見るカード特典のお話にいちばんグッと来てしんみりしてしまった。
Posted by ブクログ
イエスノー関連を一応読破したので、今度はこちらを。
一言、せつない…。それでもタイトルのような湿っぽさはない、大人の恋愛もの。サラリーマンだけど、お仕事話はそれほどでもなくて、2人の感情が行き来する。
最初の半井さんの印象、私的にも良くないですよ。でも、その後の不安定さと、哀しさ、想いの強さ、みたいなものがゆらゆらと背後に流れていて、読んでいて、こちらも気が気じゃなくなってしまう。
そして、荻原くん。優しいひとだなぁ。彼の苦しさも、ズシズシくる。セックスに対するすれ違い。
かおりの気持ちも、わからんでもない。ずるいよね。
和章は、ダメでしょ。彼が一番理解できなかった。。ナイトガーデン読めば印象変わるかしら。
まぁ、BLなので、荻原くんが耐えきれなくなって、半井さんと結ばれるところ、いきなりそうくる?感は否めなかったけれど、でも、ほんと切ないし、苦しかった。そして、そこがすごく好き。
Posted by ブクログ
一穂ミチのBLを久々に読んだ。ふったらどしゃぶり、これはかなりの良作である。浮気は罪だ、という人もこれは読んでほしい。登場人物がどれほどの思いで浮気に走ったのかを。ただの体だけの関係ではない。「俺、半井さんとセックスしたいです。」「うん、いいよ。」切り取ってみると陳腐にも思えるが、どれほどの過程を経てそこまで辿り着いたのかと思うと、胸を打たれる。個人的には、「この身体がいらないなんて、ぜいたくなやつがいるんだなぁ、ってさ」がベスト台詞。おすすめの1冊。
とてもおもしろかった
ふたりの心情がリアルで、切なくてもどかしくて…運命的に結ばれたふたりだけど、ストーリーがゆっくり展開していくので無理なくスムーズに落とし込めました。なかなか見ないストーリーではあるけど、現実的でリアルな感覚が味わえてとてもよかった。
Posted by ブクログ
ドラマ化され2話まで見た。
「ん?これ、ほんとにBL展開になるん?」って感じだった。
原作が一穂ミチさんで、好きな作家さんだし、とりあえず買ってみた(売ってる本屋めっちゃ探した!)
原作読んで、おもしろいんだけど、やっぱり「これ、BLなん?」って思いがずっとあった。BLじゃなくても面白いのよ!!
ドラマも淡々と進むし、これ、このまま普通に「セックスレス」の話で終わらせてもいいんじゃない?・・・なんて思っていたら
あぁ、なるほど「ふったらどしゃぶり」だわ
って読み終わって思った。
間違いメールから、メル友になる二人が、実は同じ会社の営業マンと総務の男性。
顔もしらない他人だからこそ、あけすけに話ができて、
実は同棲して結婚も考える彼女がいるが、やらせてくれない。もうずっとセックスレスであること。
実は同居している親友が好きで、親友よそれっぽくて抱いてほしいのに抱いてくれない。
なんて話もしていた。
ある時、お互いに正体がばれて(このあたり、めっちゃ面白くて笑った~)
そこからはノー残業デイの水曜日に、ちょっと一杯ひっかけておしゃべりして帰る・・という仲になった。
ある夜、どうしようもなくなって彼女に迫ったら、やっぱり拒否されて家を出てしまい、連絡をすると「今からいく」と夜遅くにきてくれた。
そして・・
って話
まぁ不憫な男たちだなぁ・・・ってのが感想でしたね。
彼女、それはひどいわ。
セックスしたくないのに子どもは欲しいね‥的な会話(友人たちとも)するのも「はぁ?」って感じで、よけいにもやもやする。
こんな女とは別れるべき!!!って思った。
でも、なにか彼女にも理由があるのかもしれない・・・っておもったけど、
最後まで「はぁ?(怒)」だったわ。
ドラマがどこまでできるのかは分からないけど、
生々しいのはいらないけど、簡単なチュン朝だけで終わらせるのも辞めてほしいなっておもう。
むずかしいかなぁ・・・
続編も注文していて本屋さんに届いているんですが、なかなかとりにいけない!
近々とりにいってきます!