あらすじ
テレビ出演でもおなじみの本郷先生が中世、戦国時代の軍事史をわかりやすく解説。戦国時代に1万人の軍勢が1カ月にかかる必要経費はいくらか?、源平の戦いと一騎打ちの実態、集団戦から総力戦へ、錦の御旗に隠された真意とは?「戦場のリアル」が見えてくる。
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Posted by ブクログ
<目次>
第1章 戦いとは何か~科学的アプローチを可能にする「物差し」
第2章 長期的視野で見る武将の知略~「青野原の戦い」と「高天神城」の戦い」
第3章 地政学的要因と戦国大名の実力~織田信長が恐れた「挟み撃ち」の衝撃
第4章 武に勝るものなし!~日本的な「武官と文官」の力関係
第5章 軍勢が激増した室町以降~一騎打ち・集団戦・総力戦・追撃戦
第6章 明治維新と太平洋戦争~皇国史観の誕生と歴史学
第7章 「大義名分」の破壊力~「錦の御旗」から「万世一系」まで
第8章 日本史の面白ポイントで「流れ」をつかめ!
<内容>
本郷先生、ちょっと書きすぎじゃないんですか?!でも、この人の新書本は語り口が平易で読みやすい。専門外にも平気で口出しをするから面白い。今回は「戦争」。日本は中世から近世は武家政権なので、「武官」の世の中なのだが、江戸期は武官が文官に変身した時代(本郷先生的には、「朱子学」から「水戸学」が自らの首を絞めたという)。本郷先生の専門の中世は、まさに「武官」の時代なので、そこを中心に分析しつつ、最後は太平洋戦争まで分析している。明治期の発想から昭和期の失敗までのなか、失敗を指摘している点はわかりやすいが、その変化については分析不足か?(専門外だからね)。そして、今こそ古代・中世の戦争を研究するのが必要という意見には、賛意を示したい。