あらすじ
誰だって病気になって医者の世話にはなりたくはない。でも病気にならずに
一生を過ごすなんて、よほどの幸運に恵まれないかぎり不可能なお話。
それでも「できるだけ病気にならないライフスタイル」を教わりたい、
という世間様の要望に応えて、ナニワの病理学教授が書いた
「(あまり)病気をしない暮らし」の本。
病気とはなんだろう、といった素朴な疑問から、呼吸、食事、ダイエット、
お酒、ゲノムと遺伝子、がん、感染症、そして医学や研究についての雑談まで、
肩の凝らない語り口で解説。
『こわいもの知らずの病理学講義』で人気爆発、ナカノ先生による究極の健康本。
ただし、飽食しかり深酒しかり、体に悪いと言われるようなことに限って
したくなるのが人情であるゆえ、病気にならないライフスタイルの実践が、
本人にとって幸せかどうかは不明ですので、その点ご容赦のほど。
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地味な努力の積み重ね
一部ご紹介します。
・ダイエットの極意は、食事制限と、運動によるカロリー消費。英語学習の極意は、単語と構文を覚えることと実地の訓練。どちらも、地味な努力であるため難しい。
・倫理というものは、時代とともに移ろっていくもの。新しい技術がもたらされたとき、その安全性が確認されて、望む人が多くて、メリットが十分にあって、周囲に迷惑をかけることが無ければ、倫理的なことなど吹き飛ぶこともある。体外受精がそうであったように。
・先端技術を受け入れるかどうかを他人事としてではなく、自分の頭で考える。いろいろな角度から考える。それにはまず、正確な知識が必要だ。
・がんになりにくい生活習慣
①感染症検査をきちんと
②体重は適正な範囲に
③毎日を活動的に
④野菜、果物が不足しないように
⑤飲食は熱いまま食べない
⑥塩は最小限、酒は適量
⑦タバコは吸わない
・笑いは万病の良薬。とりあえず笑っていれば楽しくなる。
・仕事の効率化の一つ。25分仕事に集中し、5分休憩する。これが1セット。慣れれば、1日12セットがこなせるだろう。
・普段から正しい医学情報に接するようにしておけば、それなりのリテラシーが身について、細かな知識がなくとも、なんとなく、どの情報が正しそうか、というものがわかってくるものだ。
Posted by ブクログ
まじめに、わかりやすく、気になるであろうと思ったことを書いてくれたのだな。読みにくいわけではないし、ただ、医者の側からは患者がどういう風に見えてるのかがわかってよかった。ダイエットの話とか、笑っちゃうくらいよくわかる。人が耐えられる程度の不快な思いをすることも幸福感を永続的に深く味わわせるのに有効、は卓見。
Posted by ブクログ
<目次>
長いまえがき 病気って何?
第1章 生きるということ
第2章 ダイエット「入門」の達人
第3章 遺伝+環境=わたし
第4章 酒は呑んでも呑まれるな
第5章 (できるだけ)がんにならない暮らし
第6章 病原体との闘い
第7章 番外編
<内容>
積水ハウスの「住むフムラボ」連載の記事を加筆したもの。
前回の『こわいもの知らずの病理学講義』に比べ、ご本人も語るようにわかりやすい。医学界の近年の様子がよくわかるとともに、大学医学部の内情もちらほらとわかる。
一番教えられたのは「呼吸」。よく「吸って、吐いて」と言われるけど、「呼吸」の「呼」は「吐く」こと。つまり、「吐いて、吸って」なんだということ。その方が体に良い(というか、身体が欲している)。