あらすじ
トウガラシを体にすりこんで暖をとり、生活のために我が子を売る。
22歳でネパールに渡った著者は、そんな究極の貧困を目の当たりにして衝撃を受ける。
貧困から抜け出すには教育しかない。その支援をしたい。
けれど、自分は教育者でもなければ、社会に出た経験もない。そんな自分に何ができるのか……。
悩み、もがきがらも貧困家庭の就学支援をスタートさせ、
幾多の困難に直面しながらも、2004年「クラーク記念ヒマラヤ小学校」を開校。
その後もネパール大地震や病気(ガン)などに見舞われながらも、
これまで現在200人までに卒業生を送りだしている。
想いさえあれば、人はどこまでも行ける。
ゼロから学校づくりに挑んだ著者の、涙と感動の20年の軌跡。
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Posted by ブクログ
著者の勇気ある行動には、全く頭が下がるばかり。
自分はネパールを訪れたことはないが、東南アジアの国々には何度も訪れたこともあり、学業が人生を決めるということであったり、資本主義は貧富の差を大きく広げるということは、読んでいて深く理解できた。
支援したい思いもあり、いくつかの団体を通して寄付も行っているが、支援のし過ぎもまた、当人たちの自立を遠ざけるという現実もあり難しい。
著者の吉岡さんの苦しみやジレンマの一端は、少なからず共感できるものがあった。
自分にできることは何か、改めてじっくりと考えてみたいと思う。
Posted by ブクログ
ネパールがアジア最貧国の一つとは聞いていたけれど、現地の奥まで行かれているだけあって実態の深いところまで知ることができたと思う。良い本でした。
Posted by ブクログ
寛大なご両親に育てられた著者は本当に素晴らしい人。困っている人がいると聞いてネパールに行くことを決め、次々とやるべき事に立ち向かい20年活動し続けてきた。逆に自分が励まされることもあるという。自分の命を人のために精一杯使っている彼の生き方に感動させられた。
Posted by ブクログ
鍼灸師である著者がネパールで
貧しい子どもたちのために
小学校を作るお話。
とにかく社会のために役立ちたいという
行動力、熱意がすばらしい!!
また、貧困、格差、カーストなど
ネパールの抱えている
問題も知ることができた。
やはり、教育を受けられる機会があるというのは
とてもとても幸せなことだと実感した。
Posted by ブクログ
著者の「挑みと挫折」の20年間を追体験することが出来ます。その中には、ネパールの社会情勢や子どもたちが成長していく様子も描かれています。
挑戦すること、継続することの大切さを改めて伝えてくれる1冊です。
Posted by ブクログ
国の根底に流れる文化、風習、習慣というのはおそろしい。教科書ではさらっと触れるだけのカースト制度とはなんぞや、か、著者の実体験に基づき示されている。読み書きできること、義務教育が制度化されていることは恵まれていることなんだと改めて思い知る。
Posted by ブクログ
これは良い本だった! 私の知人が毎年ネパールに行っているけど、それは雄大な自然と文化に触れる為の単なるエトランゼとして。でもこの著者は偶然みたいな動機でネパールに行って、かの地で一番必要なものは下層階級の子供たちへの教育だと一人確信してもがきながら邁進する。彼や支援者や現地の理解者等により蒔いた種が少しずつ大きく実る様子に拍手したい!何故にこんな境遇の子供たちに限ってキラキラ輝いているのでしょう?!そしてここでも支援しているつもりが支えられ教えているつもりが教えられることの何と多いことか!
よくは知らないネパールの現実や根強く残るカースト制度の弊害や日本からの支援母体や三浦雄一郎の関わり等々とても興味深く読んだ。すごく啓発されました!
Posted by ブクログ
2019年度青少年読書感想文全国コンクール、高等学校の部の課題図書。
近年、仕事に収入よりもやりがいを求める若者が多くなってきていると聞くが、著者の吉岡さんはそこまで深く考えず、22歳でネパールに行ったようだ。
けれど、現地で貧しい人々に出会い、突き動かされていく。
この吉岡さんのご両親の子育て方針がまた、突き抜けていてスゴイ。今時はこのような豪快な親は絶滅危惧種だろう。
中学生でも充分読めると思う。
Posted by ブクログ
人身売買、児童労働、貧困のネパールで学校作りに挑んだ、地元愛媛出身の吉岡大祐さん。鍼灸師の資格をもってネパールへ渡った吉岡さんが見たのは、平和で豊かな
日本にいては想像もできない現実…。
そこから熱い思いと行動力で切り開いていく学校建設・運営の道。「豊かさとは何か」…何をもって豊かと言うのか、考えさせられました。
そして、現代でもやはり女性というだけで、命が保証されない世界があるということが、何より衝撃でした。そんな中でも、たくましく生きる子どもたち。
生まれた場所が違っていれば、私自身もそういう境遇に置かれたのかもしれない。
高校生の課題図書になっているこの本。一人でも多くの人の手に渡り、小さな一歩が大きな動きにつながりますように。