あらすじ
現代アートを司るのは、いったい誰なのか?
世界的企業のトップや王族などのスーパーコレクター、暗躍するギャラリスト、資本主義と微妙な距離を保つキュレーター、存在感を失いつつも反撃を試みる理論家、そして新たな世界秩序に挑むアーティストたち……。日本からはなかなか見えてこない、グローバル社会における現代アートの常識(ルール)=本当の姿(リアル)を描きつつ、なぜアートがこのような表現に至ったのか、そしてこれからのアートがどのように変貌してゆくのかを、本書は問う。
さらに、これら現代アートの「動機」をチャート化した「現代アート採点法」によって、「難解」と思われがちなアート作品が目からウロコにわかりはじめるだろう。
アートジャーナリズムの第一人者による、まったく新しい現代アート入門。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
ヴェネチアで観て、バーゼルで買う。
アートの世界にはいるということは、
グローバル資本主義の勝ち組に加担すること。
ピノー(ケリング)
グッチ、プーマ、サンローラン、ブシュロン、
クリスティーズ、シャトー・ラトゥール
アルノー(ヴィトン LVMH 4兆円企業)
モエエシャンドン、ドンペリニョン、ヘネシー、
ロエヴェ、セリーヌ、ジバンシー、ケンゾー、
フェンディ、ダナキャラン、クリスチャンディオール、
ゲラン、タグホイヤー、ショーメ、ゼニス、ブルガリ
カール ラガーフェルド(シャネル デザインディレクタ)
デザインと建築が現代における真のアート。
ブランド知名度でアーティストを世に知らしめる。
マヤッサ王女(カタールQMA)
村上の「五百羅漢図」依頼主。
アートはビジネス。首長家の資産=国家の資産
ラリー ガゴシアン(ギャラリスト 売上1000億円)
クーンズ、ハースト、グルスキー、村上 を扱う。
POWER 100(ランキング)
批評家が力を失い、美術館に関与する建築家が存在感。
現代アートは文学、音楽、映画に比べ大衆性が低い君主制や寡頭政治。
美術館 ~アートの墓場
検閲、自己規制
コレクターとの戦い(権威によるディスカウント)
政治的資産
アメリカでは作品寄贈は会員制美術館でも非課税
美学的経験の場より「社交の場」へ退化?
他ジャンルとの組み合わせは手段でしかない。
複製技術で失われたものに対し、
「いま、ここ」出しか味わえない体験で人を集める。
MoMA 302万、ポンピドー 345万、ルーブル 926万人。
テートモダン579万人。
公的予算減少し、70%が民間から。
集客重視の展示に、量が質を変質させる。
ポピュリズムの誘惑からテーマパークに?
美術雑誌
批評が少なく、ギャラリーの広告が70%
「イズム、運動」のなくなった冷戦崩壊以降
アート史に結び付ける「欧州式アートのルール」
会田、村上も則る。
デュシャン「Fountain」1917年
現代アートは何でもありに
作家により選ばれ命名され新しい見方を示し、初めて成立する。
もはや、つくらない。選択。
「外見」から「概念」へ。コンセプチュアルアート。
ヨゼフ ボイス
「すべての人が芸術家になるべきだ。」
鑑賞者は能動的な解釈者
ヤン フート
「よいアートは答を与えてくれない。問いを投げかける。」
現代アートの3大要素
「インパクト、コンセプト、レイヤー」
時間芸術
撮影されたデジタル画像は2016年で1兆枚を超えた。
2次元静止は現代アートの担い手にはならない。
映像は3次元。
今後のアートは4次元のインスタレーションを志向する。
アートとアーティストは超社会的。
社会から孤立させなければならない。
サミュエル ベケット「死せる想像力よ、創造せよ」
茶の湯に通じる思想