あらすじ
連れ去られた両親を救うために、一行を離れて長安へ向かった劉欣。彼を追う美少女仙人・僕僕と王弁はその旅の途中でタシという少女に出会う。不治の病と診断された彼女はなぜか、王弁の傍にいると症状が和らぐのだった。一方、劉欣の仙骨を狙う胡蝶の頭目は、ついに劉欣を追い詰め、最後の戦いを仕掛けようとするが。クライマックス目前! 大人気中華ファンタジー、出会いと別れの第九巻。
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Posted by ブクログ
改めて、仁木英之氏をとんでもない作家だと思い知った。こんなに深く歴史を追ったベース上でこんなに魅力的なキャラクターを作り出してファンタジーの要素とユーモラスを混ぜて仙人と周りの人々を描き出すなんて神技過ぎる。
劉欣が最期に王弁に己の仙骨を譲り渡すシーンが最初で最後に二人が真に心を通わせた場面だったのだろうか。恋せよ魂魄なんて軽いタイトルに似つかわしくない、どえらい旅の展開になってきた。貂も王方平も人間と仙人の違いはあれど中身は同じ、現状に満足できない事だ。
タシの生死についてデラクが放った一言「このご時世に死ぬ時期がわかってるって、どれほど幸せなことかわかる?」が突き刺さった。
もしも劉欣が司馬承禎の弟子になるルートがあったなら、また違った流れになっていたんだろうか。
いつかまた再読したい。