【感想・ネタバレ】私が大好きな小説家を殺すまでのレビュー

あらすじ

突如失踪した人気小説家・遥川悠真。その背景には、彼が今まで誰にも明かさなかった少女の存在があった。
遥川悠真の小説を愛する少女・幕居梓は、偶然彼に命を救われたことから奇妙な共生関係を結ぶことになる。しかし、遥川が小説を書けなくなったことで事態は一変する。梓は遥川を救う為に彼のゴーストライターになることを決意するが――。才能を失った天才小説家と彼を救いたかった少女、そして迎える衝撃のラスト! なぜ梓は最愛の小説家を殺さなければならなかったのか?

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あなたは、敬愛する人を殺したくなったことがありますか?

突然失踪した売れっ子小説家・遥川悠真。彼の家を捜索すると、同棲していた少女の痕跡が現れた。その少女こそ、この物語の主人公・幕居梓だった――
小学生のときに、自殺しようとしていたところを遥川に助けられた梓。そこから始まる大好きな小説家との生活は、遥川のスランプにより思わぬ方向へ進んでゆく。「小説家・遥川悠真」を救うために梓が選んだ行動とは? そして、梓はその後どうなるのか? 「才能の枯渇」という重く苦しい題材を使い、痛切な感情を描き出した一作です。

作者の斜線堂有紀先生はミステリ・SF・恋愛と幅広く手掛ける作家です。
本作を読んだ後は、同作者の『ゴールデンタイムの消費期限』もオススメ! こちらも「才能の枯渇」というテーマを扱った作品です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

小学五年生の幕居梓は、命を捨てに訪れた踏切にて、敬愛してやまない天才小説家「遥川悠真」と出会う。
その後、遥川の家に遊びに来てご飯を食べたり、一緒に遊園地に行ったり、家族のように絆を深めていきます。
しかし、遥川は次第に小説を書けなくなり、そこから物語は地獄へと向かっていく…

•序盤の梓の家パートかきつかった。
夜の七時から朝の七時まで押し入れに閉じ込められたり、家に帰る時間は秒単位で7時ぴったりでない等々、母親の躾は普通のことのように思って生きてきた梓。
しかし、母親が何日も帰ってこなくなることが増え、母親の自分に対する言動や扱いが異常なことに気づき、愛されていないという悲しさが凄く切ない。
•梓はたまたま出会えた天才小説家の遥川のそばで、彼が小説を書く姿を間近でみてきました。
3作目にて彼は多くの批評を浴びるのですが、その時の遥川の乱れっぷりがなんだかとても憐憫で、悪い意見だけでなく良い意見も沢山あるのに、悪い部分ばかり目についてしまう遥川は、人間味が凄くて、物事に本気で向き合う人だけが見せる気迫さが文字を通して伝わってきました。
•梓から見る遥川は次第に摩耗していき、もはや才能を消費し切った”終わった”天才のように映ります。
•梓は「小説が大好きでとにかく書き続ける遥川」が好きなので、とっくに小説家として終わっている遥川の”ゴーストライター”として、代わりに小説を書き続けるというとんでもない展開が待ち受けています。
ゴーストライターとして梓が書いた小説の中には、「遥川悠真の最高傑作」と評されるものも出てきたり、世間からみたらとても順調にみえる流れでした。
が、この物語では梓と遥川の関係性が密に描かれていて、遥川は自分を超えた梓を最早憎んでいるし同時に大切にも思っているのがよく分かりました。斜線堂さんは、このような人間の一筋縄ではいかない感情を描くのが本当に上手いです。
•ラストシーン(遥川が飛び込み自殺したホームにて、梓がホームから飛び降りようとしている)には、最後いったい生死どちらを選んだのか?!
希望的観測では、梓は遥川の分まで生きて小説を書いて生きていくことを選択したのではないかと祈っています。
天才が天才じゃなくなる展開は辛すぎるし、梓は大好きな遥川を結局自分の理想から外れることを許さないことで、結果として遥川を追い詰めることをしてしまったのだなと、少し切なくなりました。

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2026年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

才能が枯渇した天才小説家の遙川悠真と、彼の小説に救われ、彼に憧れ、彼のためにとゴーストライターにまでなった少女・幕居梓の物語。「小説家を殺す」というのが何を意味するのか。文字通り”命を絶つ”のか、それとも”小説家生命を絶つ”のか、それとも…、とページを捲る手が止まらず最後まで一気に読み進めることになりました。悲劇的な結末に至りそうなのはあらすじを読んでも分かりますが、結末に至ってなお、過程の解釈に揺れています。傑作。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

梓は小説家の先生のことが好きで、先生も梓のことを好きで。だけど、先生のスランプと梓の才能、信仰が2人の関係を変えてしまった。
先生が本当に梓の家族の代わりになろうと思っていたこと、互いを大切に思う気持ちは本物だった。最後までずっと。
迎える結末はあまりにも救われなくて、でも2人が出会った瞬間からこの結末は決まっていたのかななんて考えてしまう。
初めてのデート、小学校の卒業式、梓が小説を持ってきた日。先生視点があったら間違いなく数週間は引きずってた。

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2025年11月30日

ネタバレ 購入済み

切ないけど心に刺さる作品

梓と遙川悠真の関係性が素晴らしい。この本を一言で表すなら共依存がいちばん相応しいと感じる。遥川悠真の梓に対する感情の変化を持ちながらも結局愛していた姿も梓の遥川悠真に対する幼い頃から見てきた小説家として姿への執着も遥川悠真に対する期待と愛もとても深くて面白い。人間が相手に理想像を押し付け求め憎悪し妬み、また愛す。その姿が生々しく綺麗に描写されているところが素晴らしいと思う、人間の醜く美しいほどの執着と愛情と嫉妬が詰め込まれている作品。メリーバットエンドが好きな人、人間の生々しい感情が見たい人には是非とも奨めたい

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2022年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み終わったはずなのにすごく引っ張られる感じがする話だった。バッドエンドなんだろうけどそういって言っていいのか分からないくらい梓にとってはその選択肢以外ないレベルで先生のことが大好きだったんだろうなと思った。冷静に考えれば先生はかなり犯罪者チックだけど、2人だけの空気感というか、雰囲気が好きだった。斜線堂有紀さんの作品は今回含め、いつもそこが好きです。

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2025年05月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

遥川悠真
大学在学中に、とある文学賞を受賞して世に出た小説家。ファンイベントの直後、突如失踪した人気小説家。

豊島警察署捜査一課の刑事

幕居梓
小学生のころ、午後七時から朝の七時まで母親から押し入れの中に閉じめられる。遥川悠真の小説を愛する少女。十七歳。西ヶ浦高校の二年生。

梓の母親

工藤

守屋和幸
文芸部。梓の先輩。


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2025年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ラノベっぽいような、そうでも無いような。
知人に「あなたの作品っぽい雰囲気の小説とは?」というタグで薦めてもらった作品。褒められてるのか貶されてるのかなんなのか(笑)(タイトル)

敬愛なのか執着なのか、私には敬愛なんてないと思っていたけれど、好きな作家が望む作品を出せないなら、人道を外れてしまったら、勝手に抱いている理想と違ったら。それはいなくなってもかまわないと思うかもしれない。

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2024年06月19日

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