【感想・ネタバレ】外国語を身につけるための日本語レッスンのレビュー

あらすじ

みなさんは学校の国語の授業でどんなことを勉強しましたか。
欧米では母語の教育をはじめとする言語教育は似通っており、どこの国でもだいたい同じような内容の指導がなされています。しかもそれは技術教科として実施されます。説明や報告、議事録のまとめ方、レポートや論文作成、討論やプレゼンテーション、文章の要約や批判的分析といった、言葉を用いて生活し、仕事をするうえで重要なさまざまな技術を、日本でいえば小学校から高校卒業までの授業で学びます。
つまり欧米人は言葉を遣うための技術を小さい頃から身につけているのです。ですからかれらと対等に語り合うためには、文法や語彙力のみならず、その言葉を操るための技術を私たちは習得する必要があるのです。
そのためには、まずは日本語から鍛えていきましょう。というのも、「日本語でできないことは外国語でもできない」からです。母語である日本語の土台がしっかりしていなければ、その上にのる外国語は、その母語に見合ったものにしかなりません。
本書は、日本の国語教育に新風を吹き込んだ著者による待望の一冊です。日本の学校教育ではほとんど扱われていない、有効な質問のしかたや答えかた、相手にわかりやすい説明のしかたなどの言語技術が身につけられるよう編まれています。
外国語の習得を目指す方、外国人に日本語を教えられる方におすすめです。

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Posted by ブクログ

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文字通り、外国語特に欧米系言語を身につけるための中間日本語のレッスンのうち、表現形式のレッスン。これを外国語教育として日本語でやるのは素晴らしく意味があると思う。が、日本語に主語と目的語を導入せよ、は今一つ同意できないし、話題がかみ合わずに延々話すコミュニケーションが無意味だとも思わない。試験としては、これらの言語技術教育はやはり外国語教育及び科学教育であり、日本語教育とは別物のように思う。(国語の時間を減らして言語技術教育にあてることがあってもよいとは思うが。)

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2015年08月09日

Posted by ブクログ

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 日本人と欧米人では考え方が根本的に違う。思考は言葉に影響される。英語やドイツ語などでは主語が無ければ文が成立しないのに対して、日本語は、主客合一の、曖昧で、抽象的な文が成立し、むしろそこに価値を見いだすことがある。
 したがって、日本人は曖昧を好み、欧米人は明確を好む。たとえば絵画鑑賞をしたときに日本人は「きれいね」という感想を述べるだけで満足するが、欧米人は、どこが「きれい」だったのか、あるいは、どこが「きれい」ではなかったのか、分析的に対象を捉えるのである。
 現代のグローバル化された社会の中で、日本人は欧米人のスタンダードに合わせる必要がある。そのためには、欧米人の思考を司る言語技術を日本人にも与えなければならない。その役割を担うのが、国語教育のはずである。

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2013年03月17日

Posted by ブクログ

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題名「外国語を身につけるための日本語レッスン」から、なぜ日本語の学習が外国語に必要なのかの疑問が出てくる。

その疑問から本書は始まる。
その答えは、「英語を話すときにまず日本語で文を組み立て、それを英訳しさえすれば話が通じるものと思ってしまいがちです。ところが、それではなかなか通用しない(P7)」からだ。

なぜ英訳しただけでは、通じないのか。欧米の言語や英語は、文法や文の構造が異なる。ものの考え方も異なる。その違いが文の組み立て方にも影響している。日本語の文の組み立て方は、欧米の言語と違うのだ。

では、日本語のどんな学習が必要なのか。本書ではそれを「言語技術」だと言っている。言語技術は、日本ではほとんど知られず学校でも教えられていない。しかし、欧米では違う。「欧米の言葉を母語とする人々は、言語の習得には技術が必要と考え、国語の授業は「言語技術」を学習する場であると考えられています。(P7)」

欧米式の言語技術を身に付け「翻訳できる日本語」を習得すること。これが、必要と説かれている。


日本語と外国語は、何が違うのか?本書では具体的に書かれている。私も読みながら、なるほど大きく違うと納得した。外人がなぜ変にうつるのか、あるいは日本人はなぜ変と言われるのかも分かり面白い。



まず、私が面白いと思った点。P26のあたりを引用する。

スキーのジャンプ競技でインタビューを聞いていると、アナウンサーは(略)「おめでとうございます。今日のジャンプはどうでしたか?」すると、ベテラン通訳は「今日のジャンプは、すばらしい大ジャンプでしたね。このジャンプについて、あなたはどう考えていますか?」と、即座に言葉を補って、具体的な質問に変化させていたのです。選手が長々と「今日のジャンプ」についての自分の考えを披瀝すると、通訳はすました顔で「自分も会心のできだったと思っています。最高の舞台でベストを尽くせたことを嬉しく思います。」などとはしょって

以上の部分を読みながら、以前から感じていた私の違和感が何だったのか分かった。外国人のインタビューのときに、外国人は1分くらいしゃべっているのに、通訳は一言二言の10秒ほど話すのを見て、不思議だった。実際は、はしょっていただけだったのだ。しかも、質問もそのまま訳さず、変化させていた点にも驚く。

なぜ、通訳は、「おめでとうございます。今日のジャンプはどうでしたか?」を、そのまま訳さなかったのだろうか?英語に「どうでしたか?」は訳せないわけではない。そのまま訳しても良い。しかし、どうでしたか?と質問しても、外国人は困ってしまうらしい。「今日のジャンプはどうでしたか?」は、日本人同士では通用するが、よく考えるとあいまいな質問だ。例えば、今日のジャンプは練習の時と比べてよかったか?とも受けられる。また、今日のジャンプのフォームはどうだったか?、今日のジャンプの風はどうだったか?などいくらでも解釈できてしまう。だから、ベテラン通訳は、
「今日のジャンプは、すばらしい大ジャンプでしたね。このジャンプについて、あなたはどう考えていますか?」と具体的な言葉を補い質問したのだ。

このように外国語では、あいまいな言葉が通用しない。日本語では、あうんの呼吸や空気や雰囲気で通じる。このあいまいさを止め具体的な言葉に変換しなければならないのである。

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2012年09月30日

Posted by ブクログ

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中間日本語を身につける?
*主語を意識する
*「あれ」を明確にする
*質問の内容を具体的に考える
*5W1Hを明確にする
*根拠を明確にする
*構文から考える

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2012年02月10日

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