【感想・ネタバレ】ルポ ひきこもり未満 レールから外れた人たちのレビュー

あらすじ

派遣業務の雇い止め、両親の多重債務、高学歴が仇となった就職活動、親の支配欲…。年齢も立場も、きっかけも様々な彼らに共通するのは、社会から隔絶されて行き場を失ってしまった現状である。たまたま不幸だったから? 性格がそうさせているから? 否。決して他人事ではない「社会的孤立者」たちの状況を、寄り添いながら詳細にリポート。現代社会の宿痾を暴き出し、解決の道筋を探る。制度と人間関係のはざまで苦しむ彼らの切実な声に、私たちはどう向き合うことができるのか…。 【目次】序章/第一章 誰か見つけて/第二章 親子の高年齢化/第三章 毒親・ロスジェネ世代の就職難/第四章 機能不全家族/第五章 高学歴女子の転落/第六章 Uターン転職/第七章 支援とブラック企業/第八章 社会への道のり/第九章 自らの意思で出会いが選べる/第一〇章 あとがきに添えて~命を絶った柴田さんのこと

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Posted by ブクログ

ネタバレ

序章から何とも例えようがないずしりと鈍く重い気持ちになりました。
当事者である柴田さんの
「いっそのこと、絡み合った問題の糸を、全部燃やしてやった方が早いのではないか」
という言葉の背景を想像すると、同年代だからなのか、共感する部分もあるからか、どうしても他人事には思えませんでした。

その後の章でも様々な理由・環境で”ひきこもり(未満)”の状況にある方々が出てきて、中には警備員になられた高橋さんのような理想的なステップを踏んでいかれる話もありましたが、やはり再び最終章で紹介された柴田さんの話が序章とあわせて印象に強く残りました。

最終章では柴田さんから筆者の池上さんに送られたメールが時系列で紹介され、折々のアクションについても書かれていましたが、個人的には最初の会合の開催をきっかけに少しずつナーバスになられていっているように感じました。
柴田さんの思うような条件で会合が開催され、理想の形でできていたら、もしかしたらもう少し生きていらしたのか?
そんな想いもふと抱きました。
同時に冒頭の「問題の糸を全部燃やす」という言葉を発した時には、もしかしたらそれはそこまでの本気ではなかったのではないかとも感じました。
勝手な推測ですが、9カ月のロスタイムは生きる糧になる物事への希望が少なからずあったからではないのかなと。

とりあえずは読み終わった直後の感想を思ったままに。
もっと頭を整理してまとめておきたい考えや感想もあるけど…。

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2019年05月09日

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