【感想・ネタバレ】フェルメール最後の真実のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読書前は「俺たちゃフェルメールシンジケートの一員なんだぜへへへ」という自慢本かと思っていたのだが、読み進めるとそのステロタイプは(幸いなことに)裏切られた。
各章はそれぞれ、フェルメールの人生、著者がフェルメールに携わるようになった経緯、シンジケートメンバーそしてその間の関係、そして日本での(担当した)フェルメール展におけるシンジケートの戦略とその結果などの裏話。これらが(著者の人生の物語が加わるため、筋が若干入り乱れながらも)意外にしっかりと著述されている。
またフェルメール好きなら聞いたことがある研究者三人(ウィーロックJr.、リトケ、サットン)のこと(特に性格)について知ることが出来るのは、直接会える(そして交渉した)からに他ならない。特にウィーロックがワシントンナショナルギャラリーを辞めたこと、またリトケが列車事故で亡くなっていたことなど、個人的に全く知らなかった情報が載っていることに驚いた。
とりあえず、このタフネゴシエーターが日本側に付いているのは、フェルメール(そしてオランダ黄金時代の画家たち)の絵を日本国内で観る上で、非常に有利な状況であると納得した。
なお、この本のタイトル「フェルメール最後の真実」、文春文庫の惹句「フェルメール展…読めば100倍面白くなる!」などは、正直言って不細工である。これらは、本の内容に対して泥を塗っていると感じる。ので☆一つ減。

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2018年10月07日

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