【感想・ネタバレ】フェルメール最後の真実のレビュー

あらすじ

2018年秋から2019年にかけて、日本史上最大規模のフェルメール展が東京と大阪で開催される。代表作「牛乳を注ぐ女」を筆頭に初来日の作品もあり、大きなフェルメール・ブームとなりそうだ。
オランダのデルフトという小さな街に生まれ、当初はまったく注目されていなかった寡作な画家が、なぜこのように人気を集めるのか。その魅力はどこにあるのか。日本におけるフェルメール展の企画プロデューサーであり、ノンフィクション作家でもある著者が、その謎に迫る。
本書では、フェルメールの評価の変遷を全作品の解説と共に紹介し、作品を動かす「フェルメール・マン」と呼ばれる15人の男たちのシンジケートの存在を初めて公開する。世界的に知られた美術館の花形学芸員たちが虚々実々の交渉を繰り広げ、ある条件が揃ったときにだけ、フェルメールは旅に出る……。読めば、展覧会を観る目が180度変わる画期的なドキュメント。全作品をカラー写真で掲載。全点踏破をめざす人に、保存版ルートガイド付き。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読書前は「俺たちゃフェルメールシンジケートの一員なんだぜへへへ」という自慢本かと思っていたのだが、読み進めるとそのステロタイプは(幸いなことに)裏切られた。
各章はそれぞれ、フェルメールの人生、著者がフェルメールに携わるようになった経緯、シンジケートメンバーそしてその間の関係、そして日本での(担当した)フェルメール展におけるシンジケートの戦略とその結果などの裏話。これらが(著者の人生の物語が加わるため、筋が若干入り乱れながらも)意外にしっかりと著述されている。
またフェルメール好きなら聞いたことがある研究者三人(ウィーロックJr.、リトケ、サットン)のこと(特に性格)について知ることが出来るのは、直接会える(そして交渉した)からに他ならない。特にウィーロックがワシントンナショナルギャラリーを辞めたこと、またリトケが列車事故で亡くなっていたことなど、個人的に全く知らなかった情報が載っていることに驚いた。
とりあえず、このタフネゴシエーターが日本側に付いているのは、フェルメール(そしてオランダ黄金時代の画家たち)の絵を日本国内で観る上で、非常に有利な状況であると納得した。
なお、この本のタイトル「フェルメール最後の真実」、文春文庫の惹句「フェルメール展…読めば100倍面白くなる!」などは、正直言って不細工である。これらは、本の内容に対して泥を塗っていると感じる。ので☆一つ減。

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2018年10月07日

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