【感想・ネタバレ】脳が読みたくなるストーリーの書き方のレビュー

あらすじ

“心”ではなく、読者の“脳”を刺激せよ!

テーマ、キャラクター、プロットの組み立て方を脳科学の観点から指南!

脳科学、神経科学、認知心理学……ゆるぎない事実に基づく、物語創作の新しい実践ガイド。脳はストーリーをどう認識するのか? そして、どのようなストーリーに夢中になるのか?

面白いストーリーは、私たちの意識を常に集中させ、他のことに気をそらせない。つまり、ストーリーを書くうえで重要なポイントとは、「次に何が起こるか知りたい」という脳の欲求を常に引き出し続けることである。それが欠落していたら、どんな美しいメタファーも魅力的なキャラクターも、読者を満足させることはできないのだ。

小説、映画脚本、短編などの実例を参考にしながら、脳を満足させるためのストーリーの書き方を指南する。人間の“認知的無意識”が明らかにする、物語創作の実践ガイド。

まさか、こんな“神話”を信じて創作していませんか……?
「美しい文章は何にもまさる」
「物語で最も大事なのはプロット」
「登場人物を知る唯一の方法は、完全な経歴を書き上げること」
「感覚的な詳細描写は物語を生き生きとさせる」
「種明かしのためには、情報を伏せておくことが読者を引き込む秘訣だ」

本書ではこのような神話を退治し、脳(=読者)を魅了する物語の姿をお見せします。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 小説や脚本を書く人が陥りがちな間違いについて脳科学的な知見から神話と真実をあばいていく内容である。
 他の書籍だとこれまで鉄則というものがあってそれはこういう理由であるという体で書かれているものが多かった。本書はそれに加えて人間の脳それもその偏向性や欲求に即して説明しているところに違いがある。それはとても良い効果を発揮している。
 付け加えると作者であるリサ・クロンさんはたくさんの良作だけでなく駄作に触れている経験を遺憾なく発揮している。小説・脚本においては十中八九最初からうまく書ける人はいない。この本のようなものでマナーを学び一度書いたら十回以上推敲して文章を磨き上げることが必要となる訳だがその理由を端的に示しており納得感がある。時間をかけることになることであるからこの「納得感」はとても重大だ。
 グラフィックレコーディングなど打ち合わせや介護の見える化の講座をデザインして企業研修等で教えているのだが、研修講座とは時間芸術のひとつだと思っており、小説や脚本術はとても参考になる。本書もその一環で読んだ。

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2021年07月05日

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