あらすじ
自動車業界で話題の「CASE」そして「100年に一度の大変革」。
その本当の意味は何か。ビジネスはどう変化していくのか。
気鋭の若手アナリストが読み解く!
【自動車の「スマホ化」とは?】
ガラケーからスマホに変わった時代。
デバイス(端末)メーカーは主役の座を奪われた。
新たな勝者は、SNSなどのアプリ開発者(フェイスブック、ツイッター)、
そしてアップルやグーグルなどのプラットフォーマーたち。
「エコシステム」を発展させ、「データ」を制するものが「勝ち組」となった。
自動車業界でも同じ現象が起きる。
「自動車」というモノが主役の時代から、
エコシステムとデータが主役の時代へ。
旧来の発想とはまったく異なる
パラダイム転換のメカニズムを解き明かすのが本書だ。
【モビリティ2.0とは?】
モビリティ1.0時代
-内燃機関(エンジン)によって走る自動車が「人やモノ」を運ぶ
-「自動車産業」という枠組みの中で、車両の生産台数を競う
-モノの汎用化が加速し、コスト削減競争で消耗する「衰退産業」
モビリティ2.0時代
-「データを運ぶ手段」という新しい「意味」が加わる
-都市を中心としたエコシステムを活性化させる重要な媒体へ
-サービスとしてのモビリティ=「MaaS(Mobility as a Service)」という新ビジネス
-世界中で都市化が進む中、超成長産業として拡大
この流れはもう止められない!
新時代にビジネスチャンスをつかむためのヒントが本書にある!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
ガラケーからスマートフォンに移行した時、移動式電話という従来の機能を超えて、EC・SNSといった新たな情報基盤やプラットフォームが生み出された。 この環境における勝者は携帯メーカーではなく、FacebookやTwitterといったアプリ開発者、GoogleやAppleといったOS提供者となった。
同様の構図が自動車にも起きる。現在、脱炭素をキーとしたEV化が語られるが、それは単純なガソリン車からの燃料機構の置き換えではない。デジタル化の進展に伴って・モノを運ぶ従来の車両の機能(Mobility1.0)から、都市のデータを集め・運ぶ用途として変遷するだろう(Mobility2.0)。車両は都市のデータを収集し、自動運転車・ライドシェアリングの進化を促すことで、サービスとしてのモビリティが発達する。都市内の移動が活発化することで、さらにデータが収集され…といったデータを資源としたエコシステムが構築される。ここでの勝者は車両メーカーではなく、こういったデータを収集・プラットフォーム化できる企業になっていくだろう。
車両用途が変質していく点が非常に斬新でした。また、上記の事象はUXを重視するミレニアム世代の台頭、EVを国家戦略とする動きなど、世代論・国家戦略の観点から論じられているのが面白かったです。