あらすじ
「自分は天才にはなれない」。そう悟った日から、地獄のような努力がはじまった。
嫉妬の化け物・南海キャンディーズ山里は、どんなに悔しいことがあっても、それをガソリンにして今日も爆走する。
コンビ不仲という暗黒時代を乗り越え再挑戦したM-1グランプリ。そして単独ライブ。
その舞台でようやく見つけた景色とは――。
2006年に発売された『天才になりたい』を本人が全ページにわたり徹底的に大改稿、新しいエピソードを加筆して、まさかの文庫化!
格好悪いこと、情けないことも全て書いた、芸人の魂の記録。
《解説・オードリー若林正恭》
【目次】
はじめに
プロローグ
●第1章 「何者か」になりたい
「モテたい」という隠れ蓑
母ちゃんの「すごいねえ」
お笑いやってみたら」
全ては芸人になるために
「逃げさせ屋」を無視する
大阪怖い!
人見知りは才能?
“ならず者”たちとの日々
先輩の涙
●第2章 スタートライン
芸人養成所という魔境
相方は絶対男前
暴君山里
キングコングの快進撃
偽りでも天才になりきる
伸びる天狗山里の鼻
「もう許してくれ……」
●第3章 焦り
富男君
加速する相方への要求
天才ごっこ
圧倒的な敗北感
モチベーションは低くて当たり前
芸人になれない日々
「おもしろい」がわからない
超戦略的オーディション
“姑息ちゃん”の勝利
初めてネタを創った日
解散
「もう一度」と言えなかった
いいネタはどうしたら生まれるのか?
媚びを売って何が悪い!
ピン芸人・イタリア人
最強の相方を探せ!
南海キャンディーズ結成
●第4章 有頂天、そしてどん底
襲ってくる恐怖感
自分の立ち位置は何か?
やっと見つけた僕たちのネタ
お前たちは「素人だから」
怒りのパワーを成仏させる
僕を変えた運命の出会い
僕の中のクズとの付き合い方
「お前らのやったことの結果を見ておけ」
マネージャーを志願する男
嫉妬は最高のガソリン!
M‐1グランプリ2004スタート
医者ネタ
失うものなんか何もない
夢の始まり
M‐1バブル
しずちゃんとの初めてのぶつかり合い
ドヨーンの始まり
人と話すのが怖い
壊れていく心
M‐1グランプリ再び
「もう終わりだな」
●終章 泣きたい夜を越えて
「おもしろいから早く死ね」
よみがえる「張りぼての自信」
しずちゃんへの嫉妬
最悪だったコンビ仲が
「M‐1に出たい」
周囲からの攻撃的な言葉
「死んだ! 」
しずちゃんの涙
初めて見た景色
●解説 ぼくが一番潰したい男のこと 若林正恭(オードリー)
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Posted by ブクログ
山ちゃんがM-1に初登場した時の衝撃を思い出した。
何倍も食べたくなるラーメンは、初めて食べた時はあんまり美味しいと感じない、、、みたいな、じわじわっとくる面白さ。
その裏にこんなにも努力があったとは。
その努力のエネルギー源はちょっとカッコ悪いのかもしれないけど、努力は誰にも笑われるべきじゃないし、うばわれない。
ただただ、すごいなと。よかった、天才じゃなくて、努力の人なんだって不思議とホッとしてしまう。
そして、読むことでもっと山ちゃんが好きになる。
天才は、自分が天才って気づかない。天才っぽく、努力を隠して見せるのも、いいと思う。自分のキャラクターは自分で作ればいい。
本の中に出てきた、(目標)には共感した。『他人からのよく分からない批判に屈しない位、自分に自信をもつ』そうなりたくて、今日も何かに努力する。自分の信じる道を進む。
Posted by ブクログ
山里亮太さん、渾身のお笑い芸人であることが伝わってきました。
当人としては自分の描いていた「天才」ではないかもしれないけれど、
世間的には「天才」のようになるために、今も頑張り続けていらっしゃるのですね。
天才をあきらめた、と見せかけて、絶対なってやる、というメラメラは全然消えてはいなくてむしろさらにこれによって薪をくべている姿が浮かんできます。
本当に、努力家、ストイック、努力をする方法を考え出して実行する過程が綴られています。
魅力が増しました。
Posted by ブクログ
南海キャンディーズ山ちゃんの自叙伝。
お笑いを目指してから現在まで、どのようにして山ちゃんという人間が形成されてきたのか、そして南海キャンディーズが世に出て来たのかを赤裸々に語る。
本書の中で山ちゃんはたびたび「嫉妬」「悔しさ」「怒り」を燃料に変え、努力をし続けてきた。
私にも学生時代に同じ経験があり、そのおかげで頑張れたことがあったので、その時の自分と少し重なった。
逃げるための言い訳だとか、相方に強く当たってしまう部分とか、テレビに出るためのオーディションに落選した自分を正当化するところなど、とても人間味を感じられて良かった。
「張りぼての自信」という言葉もよく出て来たが、その薄い自信でも自身を奮い立たせられることが凄い。
特にM-1 へ再挑戦するときが1番カッコいいと思った。
本心としては、今の安定していて仕事が楽しいポジションのままでいたいが、相方はM-1へもう一度出たいと言う。拒否することも出来たと思う。それでも、ラジオという前言撤回できない場で相方にM-1出場への意思を問い、自らの退路を絶った。失うものの方が多い挑戦。そういった挑戦に私は魅せられた。