あらすじ
「僕にはまた向かう先ができた。NORTHだ」ウルトラランナー界のレジェンドが、復活を懸けて新たな挑戦に立ち向かう。だれよりも速く、だれよりも遠くへ。アパラチアン・トレイル(3,500km)を北上して、最速踏破記録を樹立するための激闘の日々──。いつしか、それはもっと深い意味を帯びた探索の旅へと変わってゆく。
■解説:角幡唯介氏(探検家)
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
今年度ベスト1候補。断トツスゲーノンフィクションである。
あの「EAT&RUN」の主人公、ウルトラマラソン、100マイルトレイルで数々の驚愕記録を打ち建てた、レジェンドランナーのスコット・ジュレクとその妻ジェイルーの新たなる挑戦。
年齢を重ね、レース第一線から身を引いたジュレクが挑む、アパラチアトレイル(AT)最速完全踏破記録(FKT)の物語。
技術や知識的な記録を期待して読むと残念なのかも知れない。なぜなら、この本は限界を超えた挑戦に対するジュレク・ジェレミーからみた、夫婦の絆、友情、自然との対峙、絶望と希望…あらゆる感情と真摯に向き合う物語だからだ。
俺は限界まで何かに挑んだことはあるだろうか?体のエネルギーを使いつくし筋肉を分解する酢のような体臭を放つまで、疲労困憊しきれないほど憔悴し憔悴しきれないほど疲労困憊し、原始人のように野生動物のように未来も過去もない今だけを生きる…そんな極地まで自分を追い込んだことはあるだろうか?
どうせやるならトコトンやる。そんな気持ちにさせてくれた1冊。それが仕事だったらとっとと逃げ出すけども(汗)、ランやクライミングなら、そこまでの境地じゃなくても、この本を思い出してあと1つ、もう一つ次のステップを踏めるんじゃないか?
この本は、この挑戦記録は、俺にそんな勇気を与えてくれる1冊になってくれた。頑張るぞ、楽しむぞ!