あらすじ
7月1日東京・杉並。小学校の校門に男児の切断された頭部が置かれていた。2日埼玉・和光。林で、中学生の少女の刺殺死体が発見された。3日愛知・名古屋。ス-パーで幼児が行方不明になる。これらの事件を追う捜査員の姿を丹念に描き、事件の背景、犯人の動機を重層的に炙り出す五十嵐ミステリーの新たな金字塔。ベストセラー『誘拐』で活躍した星野警部が、新たな相棒とともに難事件に挑む。
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Posted by ブクログ
上巻、一気読みでした。東京、埼玉、愛知で起きた殺人事件。犯人は誰なのか?連続殺人なの?別々の事件なの?わからない糸が絡み合ってどんどん頁をめくっちゃいました。東京の星野警部と里奈、埼玉の神崎と由紀、愛知の坪川。それぞれの刑事を応援しながら下巻へ。掴み所が無いようでいてどしっと構えている星野警部が気になる!こちらを読み終えたら、星野警部シリーズ、第1弾の【誘拐】も読みたいな。
Posted by ブクログ
杉並で小学生男子、和光で中学生女子、名古屋で赤ちゃん、と別の場所で別の殺人事件が起こる。
それぞれを捜査する様子が描かれている。
杉並と名古屋はある程度の土地勘があるため、読んでいて楽しい。
名古屋の赤ちゃんの母親の言葉がつらい。
こどもなんかほしくなかった、分不相応な注文住宅も、なんでも普通、普通を当たり前に選ぶ夫もイライラの原因だと。
杉並事件、本庁捜査一課鶴田理奈は星野と組む。先走るタイプの理奈はゆっくりさんの星野にいらいらしつつも、多分うまいなと思っている様子。
和光事件、県警捜査一課神崎俊郎、中江由紀が組む。
由紀を憎からず思っている俊郎と、この先の展開が気になる。
名古屋事件、同僚を告発したせいで警視庁から愛知県警に移動した、坪川。彼の空気を読まない雰囲気が解決に繋がるのか…
下巻に続く。
Posted by ブクログ
映像が浮かんで、映画を見るかのようにスイスイと読み進む作品。
何故そこまでの執念を抱いたのかが理解できる一方で、その執念を罪のない子供の命を奪うことではらしていくことは、なかなか納得がいかない。
憎しみをそこまでつのらせるのは容易ではない、と感じるのは傍観者だからか?
本当にその立場になったら、いつまでも恨みは深く、そして、年を追うごとにより深くなるのかもしれない。
Posted by ブクログ
3つの事件と稲葉を知る人の目線で物語は進んでいく。
3つの事件が短いスパンで切り替わるのでたまにゴチャゴチャした。
普通に考えて稲葉が犯人なんだろうけど。。
どんな真相が隠されているのか。。
下巻はきっと辛い話なんだろうな。。
Posted by ブクログ
『エヴァ・ライカーの記憶』に続いて、面白かった……
…のは面白かったんだけど、でも、これも、なぁ~んか惜しい話w
そういう感想になってしまうのは、たんなるエンタメ小説なのか、警察(の捜査)小説なのか、どっちつかずになっているからだと思う。
たんなるエンタメ小説なら、星野警部vs犯人の頭脳戦やらスリル・アクションに徹しちゃった方がスッキリ楽しめただろうし。
警察小説なら、星野警部みたいなスター(?)を出さずに、神崎&中江や坪川みたいな地味なキャラクターだけで捜査過程をコツコツみたいな方が重厚さを楽しめたように思うのだ。
他の方の感想を見ると、「長い」と書いている方が多いように感じるが、それはそのどっちつかずにしちゃったからこそ、なのではないだろうか?
だって、文庫本上下、それぞれ400ページ弱という、決して短くはないが、とはいえこの程度の長さのミステリー小説は普通にあるわけだ。
読者に「長い」と感じさせてしまうのは、話の本籍地がどっちつかずだからのような気がしてならないんだけどなぁ~。
つまり、エンタメ小説として読む読者は、地味な捜査の描写が延々続くところを「退屈だ」と思うだろうし。
コツコツと積み上げていく捜査を描く警察小説を期待して読む読者は、エンタメ要素を「軽い」と思うだろう。
実際、自分も最初の事件のセンセーショナルさから、“エンタメな展開を期待”して読んだ口なのだが、上巻の話の進まなさに期待外れに思った。
ただ、読んでいる内に、「むしろ、これは捜査をコツコツ積み上げた末に詰む、その過程を楽しむ話なのかな?」と思うようになって。
それからは、むしろその話の進まなさを楽しんで読んでいたのに、(下巻)最後の“なんともエンタメな展開”に、「なら、ずっとこっちでやればいいじゃん!」とシラケちゃったんだよなぁ~w
全体のストーリは面白いだけに、その辺はもったいなく思う。
あと、個人的にはパート毎の切り替えが早すぎるように感じた。
特に最初の方なんかは、目まぐるしすぎる。このパートの主人公は何ていう名前の人で…と覚える暇がない。
もし、それぞれのパートをせめて2、3ページ分増やしていたら、(自分は)評価がガラッと変わった気がする。