あらすじ
他人への深入りを避けて日々を過ごしてきた宇田川に、後輩の女性蜂須賀や木工職人の鹿谷さんとの交流の先に訪れた、ある出来事…。土地が持つ優しさと厳しさに寄り添う傑作長篇。谷崎賞受賞作。
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Posted by ブクログ
普通の人たちの普通の出来事が面白くてじゅうぶん小説になるってよくわかった。地方に暮らすこと、地方って田舎とは違う意味があると思うので、この小説に書かれているのは地方ということだろう。東京や名古屋などに一度出て帰ってきたひとは地方出身者と言いきれるのかどうか。主人公の宇田川と後輩の蜂須賀がかかわった相手と場所は東京出身の鹿谷と鹿谷の作った工房で、それは東京という大きな場所とつながっていたいと心のどこかで考えていたからじゃないか、とか思っていた。はっきりと書かれているわけじゃないし、そこはわたしの感想です。あと、恋愛恋愛してないのも良かった。そういうの読みたいわけじゃないから好感度かなり高いです。宇田川のちょっとした恋愛話はスパイスというほどではなくでも相手の女の子が面白すぎる。人間関係が興味深くてこんな風に全部じゃなくても書けるし良いと思いました。