あらすじ
「これ食べたら死む?」どうして多くの子どもが同じような、大人だったらしない「間違い」をするのだろう? ことばを身につける最中の子どもが見せる数々の珍プレーは、私たちのアタマの中にあることばの秘密を知る絶好の手がかり。言語獲得の冒険に立ち向かう子どもは、ちいさい言語学者なのだ。かつてのあなたや私もそうだったように。
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2歳の子が、ぐうんぐんと日々ことばを吸収し、自分のものとして、試行錯誤しながら、獲得していくのをみているなかでの読書。
そのこどばの冒険の道筋やかわいい間違いの思考回路が、すこしわかっていくような。楽しかった
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ゆる言語学ラジオより。
赤ちゃんの言語習得課程を科学的に説明した本の中でも最も親しみやすくわかりやすい。筆者自身の子どもの実例を載せているのが実感がこもっていてなお良い。
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どこで知ったか忘れたが、なんかずっと追い求めていた本、普通にジュンク堂で売ってた。
子どもが言語を学んでいく間に、どういう仕組で変わったルールを学んでいくか、そして間違いに気づいていくかなどを通して、言語の複雑さをこっちも学べる。言葉、奥が深ぇ〜。
食べかけのヨーグルトの入った器を親に差し出して、言ったことばが「あつまれ」など、途中に出てくる子供の言い間違い、覚え間違いがかわいい。
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おもしろい!読めば読むほど、いま自分が日本語を駆使できていることが不思議に思えてくる。
英語圏の子どもも、私が英語を勉強してたときやっちゃった文法の間違いをするっていうのが新鮮な驚きだった。
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幼いヒトが母語を獲得し、母語話者となるまでに起こる様々なことについて触れられた本。
「ちいさい言語学者の冒険」ってうまいタイトルだなあと思う。言語「学」って聞くとハードルが上がってしまうような感覚を覚えるけれど、母語を獲得していく過程の子どもたちの試行錯誤は言語学そのものの探求に他ならないし、それは「学習」「研究」というよりは「冒険」に近い。未知の世界の手触りを自分で確かめときに導かれながら切り拓いていく冒険そのもの。
文字と音声が結びつく前の段階だからこその子どもの発想が興味深かった。ひとつの単語の中で子音を入れ替えてしまうタイプの言い間違え(「ねずみ」のzとmを入れ替えて「ねむじ」と言い間違えるとか)って大人ではなかなか観測されない気がする。子どもは「ねずみ」を3文字(拍)の言葉ではなくそれより細かい発音に分解して認識できているのだなと思うとすごいことだ…。
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平易な言葉でわかりやすく、子どもの言語習得をさまざまな角度から紹介している。第一言語習得の分野に興味のある初心者にはうってつけの入門書。筆者自身の息子を始めとする実際の子どもの発言事例がたくさん載っていてかわいく、あっという間に楽しく読めた。
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メタ言語能力を行使する初期の機会の代表は
「しりとり」
早速、親戚の3歳児に試してみようと思う。
そして、この先会う度に試してみて、どんな言葉の発達をしていくのかとても楽しみ。
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自分に子どもいなしい、楽しめるかなあと思いつつ読んでみましたが、具体例を知らなくても「ありそう!」「いや、むしろそうなるわ〜」が多くてめちゃくちゃ楽しめました。電車で楽しみ過ぎて乗り過ごしを久しぶりにやらかしたくらいに夢中で読む章もありました。
ワタシ自身、子どもの頃に「外国」イコール「アメリカ」だと思ってたことを思い出しました。また、逆に?大人になってから、うちの猫(賢い!)のことを語るときには「うちのネコのヒト」って言ったりしてる。母も、犬を飼ってた頃には、よその犬を「犬」と「よその◯◯(飼ってる犬の名前)」てわ呼び分けてました。
実例、あるやん…(笑)
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子どもは日常言語に触れていく中で、どんなことを考え、その言語を習得していくのか。単なる文献の参照だけではなく、筆者の子育ての中でのエピソードがふんだんに盛り込まれた言語エッセイ。子どもの可愛らしい間違いの中には、「あれ、論理的に考えると子どもの間違いのほうが正解⋯?」と思いたくなるようなものもたくさんあり、非常に楽しく読むことができた。
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子供の言い間違いや勘違いを専門家の視点から観察し分類。
海外の例なども引用しながら解説。
面白い。
過剰一般化の例が出てくるたび、「がんばってルールを覚えて適用しようとトライしてるんだねえ、えらいねえ……」の気持ちにさせられる。
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子供の言葉の発達を言語学から読み解く。
と言っても、実験結果がつらつらと書かれているわけではなく、日常の子供の発言を言語学の視点で説明している。
なので、とても読みやすいエッセイのようなものだ。
そして子供たちの可愛らしい発言がたくさん出てきて、面白い。
子供の言い間違えと思われる発言も、実は言葉の習得過程であり、それらを経て言語の獲得に至る。
小さな子供の発言をよく聞く人は、本書を読んだら何度も膝を打つこと間違いなしだ。
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自分の当たり前に使っている言葉、それを自在に扱えるようになるまでにどういう旅路があるのか知ることができる1冊。
犬でも猫でも車でも「わんわん」と呼んでしまう最初の状態「過剰な一般化」からの修正をどのように進めていくのか、ちいさい言語学者がトライアンドエラーで進めていく姿はとても可愛く、時にはっとさせられる。
子供が言葉を覚えていく過程で、大人は下手に口出しをしなくても子供は自分で探求して正しい言葉遣いを身に付けていくことができる、という話は知れてよかった。
あと印象に残っているのは、「っ」 をどうやって発音するのか外国人に聞いた結果
「次の音のスタンバイをしながら、1拍おいている」という回答をしていた点
難易度が高いことを無意識にしていることに気付かされた。
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子供が小さかった頃のことを思い出しながらじっくりと楽しく読んだ。
子供が大人の真似だけでなく自分なりにきちんと規則性を持って語学を学んでいると知って感激した。
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Twitterで見つけて購読。
途上段階だからといって、子供の言語を捉える能力は侮れない。むしろ大人よりも鋭い感性と感覚で捉えてるかもしれない、と思わされた。
うちの子は1歳半なのでもうちょっと先だが、会話できるようになったら、「『は』にてんてんつけたら何?」と聞いてみたい。
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子どもの言い間違いからわかる言語獲得の仕組みを説明した本。
うちの子もよく言い間違いをしてたが「間違ってかわいいなあ〜」程度の感想しか抱いてなかったことが悔やまれる。子どもの言い間違いは、子どもが言葉を覚えていく仕組みを垣間見ることであって、言葉について深く考えるきっかけになっているとは!言い間違いには意識を払って、次子どもが言い間違いをした時には「なぜっ!?」って真剣に考えたいと思う。
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こどもの頭の中でどのように言葉が獲得されていくのか興味深く読めた。人間は一定の相互了解の元にコミュニケーションを行なっているという「グライスの公理」に衝撃を受けた。仕事柄、そんな前提も疑うようになっているんだなと新発見(*´-`)ことばの旅はつづく♪
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こどもが言葉を獲得し始めたばかりの頃、意思の疎通ができることが嬉しくて楽しかったことや、独特の言い回しも間違いも可愛くて「これが幸せってヤツですか!」と実感したんだっけ。なにはともあれ「わかる」「できた」は楽しいという事を再確認。
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認知能力は発達段階で変化していくのだろうけど、質的にそんなに大きく変わらないと仮定すると、「過剰一般化」は言語獲得以外にも、対象の理解を単純化する方向に、より広い分野での概念獲得にも作用しているのではないかと思った。「ジブンデ!ミツケル!」も、子供だけでなく、大人にも同じぐらい見られると思った。そんな風に、本書の内容を「過剰一般化」して受け止めてしまった。
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もうすぐ4歳になる我が子の目まぐるしい言葉の発達をもうちょっと面白がってみたいと思い手に取った本。実に面白かった。エビデンスもしっかりしている科学の本だけども、著者や知人らのお子さんのエピソード満載で読みやすい。そしてそのエピソードが「ああうちの子にもあった!」と言うものがたくさんあって、我が子もちいさな言語学者なんだなぁと実感できた。
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現在進行形で4歳の娘と日々暮らしている身として、本書の内容の多くは「あるある」である。しかしながら、よくよく考えるとこんなに面白いことを (主に彼女の脳内で) 展開している我が家の言語学者の一言一句をどれだけ見過ごしてしまっているだろうかと、妙な危機感を覚えた。気付きの一冊。
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著者が自分で書いている通り、確かにお母さんの親バカではあるのだけれど不思議とひいてしまう感じはない。著者のご子息Kちゃんの発言が普遍的に申し分なくかわいいのと、中身が十分に学問的で興味深いからかもしれない。
確かに子供って「かにに刺される」「死む」っていうなあと。こういうことだったのか!!と膝を打つ。
タイトルを「ちいさな」ではなく「ちいさい」としたことでダブルミーニングになっているのもおもしろい。(ひねりすぎててあまり中身と合っていないのだが・・・)
コミカルな挿絵もかわいい。
P3 「は」にテンテンつけたらなんていう? 実はここで急に「うーんわかんない」っていう子供が結構いるんです。あるいはなぜかgaってこたえてみたり、haを力みながら出したような音、中には「a」と答える子供もいるらしいとか。【中略】感動の理由は、大人より子供のほうが、言葉で使われる音を客観的に整理できている、と思ったからでしょう。(濁音は無声音の有声化のはずがはーばだけがそうでない。字をマスターする前だから気づく)様々な珍回答は、大人が見逃している、言語音の背後にある一貫したシステムや法則性について私たちにむしろ多くのことを教えてくれるのです。
P34 「死む」「死まない」死の活用形 ナ行の五段活用というのはじつは現代の日本語(少なくとも標準語)では「死ぬ」ただひとつなのです。(関西方言ではもう一つ「去ぬ」がある)マ行動詞であれナ行動詞であれ、飲んだ、読んだ、死んだ、とたまたま形が共通しているので、子供は、普段多く触れているマ行動詞の活用形を死ぬというナ行動詞にも当てはめているのだと推測できます。【中略】実際に聞いたことがない表現も、その性質を類推し、その時点で身に着けた規則を適用することによって、使える表現を自力で何倍にも増やしていることがわかります。その過程で起こる間違った規則の使いかたを「過剰一般化」と言います。(⇔過剰縮小化 例:おでん=チビ太のおでん的なものだけだと思っている)
P43 確かに言えることはやはり、子供のことばの発達は「大人を手本」では説明できないということです。(自分で見出した規則を使ってみたい)
P68 2歳児Yちゃんが「ぬいぐるみのいぬ」と区別して「生きているほんもののいぬ」といういみで「にんげんのいぬ」と言ったというのです。この子にとって「人間」という単語には「生き物」という成分はリスト入りしているけど、他の動物と区別するための成分はまだそのリストに入っていないのですね。それでもその「人間」を「いぬ」と組み合わせることによって、「いぬ」の中で「ここでは生き物としての犬です」という意味をより詳しく制限できる技を身に着けていることがうかがえます。
P81 間接的な表現を子供は何歳ごろから理解できるのか、という問いに関しては、多くの言語で昔からたくさんの調査がなされてきましたが、概ね7歳ごろになると大人と同じような理解ができる子が多くなると言われています。
P85 大人は尺度推移を了解しているために「100円と言ったなら200円はない」「少しと言ったからにはたくさんはない」「何人かというなら全員ではない」ことを読み取るのです。
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講義のまとめレポートに。
言語学に関しては、恥ずかしながらほとんど知識は無くレポートのために読んだというのが正直なところ。
しかし、そうだったのかと驚嘆することばかりが書かれていて飽きない。あっという間に読み終えた。
専門的で堅苦しい内容ではないため読みやすい。
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“ことばを情報伝達の手段として使うだけでなく、ことばそのものの形式・規則やその役割に関する無意識の知識への「気づき」を意識の上にとりあげる力、それを客観的に見つめ、時にはそれをいじって遊ぶことのできる能力。この力を育て、使うことにより、子どもたちのことばの旅はより豊かなものになっていきます。”(p.105)
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これを読んだちょうど翌日に、6歳長男が「せんすいかん」で格闘していた。「せいすんかん、すん、すいせい、すん せん かん」と、頑張っていたが結局言えてなくておかしくて、でもこの人は今まさにことばの旅の途中なんだなとしみじみ思った。
間違いながら自分で気付いて獲得していく、その過程がことばの力を育むのならば、大人がいちいち修正してしまうのはもったいないのかもしれない。
成長とともにどのみちいつのまにか間違わなくなってしまう。だから間違っているうちは、いい旅しろよって見守っておこうと思う。
Posted by ブクログ
内容や着眼点はとても面白いと思います。
著者や編集者の子どものエピソードも交えながら、今の私たち(大人)がどのようにして日本語を習得してきたのか、言語をマスターするとはどういうことかを考えている本です。
ある程度は言語学的な説明を加えなければ内容が薄っぺらくなりすぎてしまうのだろう、とは思いますが、そのバランスがやや専門性に偏っているかな? という部分もありました。
軽い読み物のつもりで手に取りましたが、予想外にしっかりした内容でした。
とはいえ、あくまで「例」を取り上げて解説しているものですから一般化されるものでもなければ、何歳くらいでどのような言語能力が身につく、という基準を示すものではありません。あまり肩ひじ張らずに言語学に触れることができる一冊として、特に子育てをしている人には親近感を覚える本かも知れません。
Posted by ブクログ
5歳くらいになるとおしゃべりも上手でいろんなことを賢くやっていく子ども達。さまざまな発達的変化があるが,その中でも「ことば」は多くのエピソードを伴って,彼らに関わる人と彼ら自身に訪れる。著者の経験エピソードを軸に子どもの言語発達の不思議(理屈)を紹介する。変なことば使いも賢さの表れである。気づいたらいっぱしにことばを使えるようになっているのだから恐るべき能力を人間は持っているのだな。
Posted by ブクログ
ちょうどおしゃべりか大好きな2歳児が我が家にいるので、取り上げられる例に首がもげるほど頷いた。とっぴな文法で話す彼の頭の中では、高度な処理が行われていたりするんだなあ……。今、このタイミングで読んでよかった一冊。
Posted by ブクログ
子どもが母語を獲得する過程を追う本。エッセイに近い軽い読み物だけど、言語学に触れたことがないので新鮮で面白かった。
下手な育児書より、子どもとどう接すればいいか分かる気がする。この世界を理解しようという意欲と認知したことを体系化する知性に満ちた存在なんだなぁと思った。
電車の中に子どもがいたら、会話に聞き耳を立ててしまいそう。