あらすじ
まるで手品のような謎、謎、謎。
思い浮かべた数字を的中させる殺人者。警察小説と本格ミステリの融合。
数字を一つ思い浮かべろ。その奇妙な封書にはそう記されていた。658という数字を思い浮かべた男が同封されていた封筒を開くと、そこにあった数字は「658」! 数々の難事件を解決してきた退職刑事に持ち込まれた怪事は、手品めいた謎と奇怪な暗示に彩られた連続殺人に発展する。眩惑的な奇術趣味と謎解きの興趣あふれる華麗なミステリ。
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Posted by ブクログ
『硝子の塔の殺人』で内で触れられていて気になったので購入しました。久しぶりの海外ミステリ。
トリックそのものはわりと素直な印象ですが、冒頭からのTHE本格読んでるときのドキドキ感が味わえたのが良かったです。続きが気になって一気に読んでしまいました。主人公の元刑事と奥さんの哀愁漂う倦怠期描写にも緊張していたので、再生に向かうラストも心地よかったです。
ところで「1-1000の間の数字をひとつ思い浮かべろ」と聞かれたら、皆様なら何が浮かびますか?本編とは関係ないものの、このテストを現実で実際にやってみたらどういう分布になるか、それも興味が湧きました。
Posted by ブクログ
ある日、被害者のものとに一通の手紙が届き、そこには被害者が思い浮かべた数字が書かれていた。
このトリックの発想は実現がどれだけ可能かは別として面白かった。
主人公もなかなか魅力的。
ただ、最後行きつくところは予想通りで、なぜこの主人公が思いつかなかったのだろうというのがちょっと残念。
続編があるようなので次作翻訳を待つ。
Posted by ブクログ
あくのある登場人物が織り成すアメリカ的な骨太警察物と怪事件のトリックの解明が主である本格ミステリとの見事な融合。
序盤は、”お前のことは全てお見通しだ”的な脅迫文とその後に続く全くわけのわからない殺害現場、何か個人的な恨みを買うようなことがありそうな被害者にまつわる誰が何のためにという謎でぐいぐい引っ張られる。
そうかと思うと別の場所で類似の手口の事件が発生し「え!?」と全く予期せぬ展開に。
ときおりある主人公で元警察感のガーニーと妻のメデリンの意味深な、かつぎすぎすした会話が適度な緊張感を生むと共に事件解決への糸口となっていることも、何か根底で通じ合う愛がある故の賜物という気がして、夫婦の絆を取り戻すという副ストーリーとしての良いスパイスになっていた気がする。